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2025.04.01

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【健食専門家 トップインタビュー】 〈健食規制〉薬事法広告研究所 稲留万希子代表、「ルールを順守した効果的な広告戦略を」

稲留万希子氏


DCアーキテクト(本社東京都、鈴木幸治社長)の薬事法広告研究所では、広告などについて、薬機法・景表法・健康増進法などに基づきコンサルティングするサービスを提供している。健康食品の通販広告の規制事情に明るい、薬事法広告研究所の稲留万希子代表に話を聞いた。

──2024年10月に施行された改正景表法について聞きたい。
 
2024年10月に施行された改正景表法により、新たに「確約手続」が導入された。この制度は、優良誤認表示の疑いがある事業者が、一定の条件を満たせば、措置命令や課徴金納付命令の適用を免れることができるものだ。
 
今年2月26日、消費者庁は「確約手続」の初の適用案件として、パーソナルジムの入会金値引き表示についての確約計画を認定した。「確約手続」は、2024年10月施行の改正景表法において初導入された。事業者が「確約手続」を行うためには、「是正措置計画」を申請し、内閣総理大臣から認定を受ける必要がある。景表法の規定違反を認定したものではないことは付記されるが、確約認定を受けた事業者名などは公表される。
 
措置命令が出る前に軌道修正ができるため、悪意性のない健全な企業にとっては、救いになるという見方もできるだろう。一方で、社名が公表されるため、ノーダメージではないとも言える。
 
──ステマ規制の影響は?
 
ステマ規制が2023年10月に施行された。2025年3月18日、ステマ違反4件目として、医療法人が摘発された。クリニックのグーグルマップ上の口コミ投稿欄で、患者に対して好意的な投稿を条件に、インセンティブを提供していたという。
 
3件目は、「商品」がステマ違反の処分対象になった。2024年11月13日に措置命令が行われた、大正製薬のサプリメントの表示の案件だった。表示媒体は、自社通販サイトだった。広告代理店経由で、インフルエンサー3人に、条件を提示してサプリに関する投稿依頼を行ったという。インスタグラムの投稿にはPRの表記があったため、インスタグラムの投稿自体をステマと認定した事案ではないとしている。「ステマ表示」とされたのは、依頼したインフルエンサーのインスタグラムの投稿を一部抜粋して、自社ウェブサイトに転載した際、PR表記のない表示を行ったことだという。自社サイトの表示は、大正製薬が当該第三者に対して依頼した投稿であることを明らかにしていなかった。そのため、表示内容全体から一般消費者にとって、「事業者の表示」であることを判別することが困難であるとして、景表法違反に当たると判断したとしている。
 
ステマ規制では、違反と判断される表示方法だ。ただ、まだ多くの事業者が違反であると理解せずにやっている手法でもあるので、注意が必要だ。
 
例えば、インスタグラムの投稿から関連投稿をピックアップし、自社サイトなどにリアルタイムで表示しているケースもあるだろう。PR投稿が表示された場合、表示の切り取り範囲によっては、「PR」が抜け落ちてしまうことも考えらえる。チェック体制などを見直すことも重要だ。
 
──今後健食に必要な対策は?
 
近年、法規制が強化されている。健康食品通販事業においては、法律やルールを順守しつつ、効果的な広告戦略を立てることが重要となる。ルールをしっかり守っていれば、恐れることはない。適正な広告運用を続けることで、企業は持続的な成長を遂げることができると考えている。今後も、健康食品業界の動向に注目していく必要がある。法規制の最新情報を正しく把握することが求められるだろう。
 
──景品表示法のセミナーを開催すると聞いた。
 
4月23日、景品表示法をテーマとしたセミナーを開催する。特に、有利誤認に関する内容となる予定だ。企業側に悪意がなくても、プレゼント企画や、キャンペーンにおいて違反となるケースは少なくない。
 
このセミナーは、景表法の基礎を学べる教材動画がセットになっている。基礎教材を事前に視聴していただければ、基本的なルールを把握し、実践的・応用的な内容をより詳しく学べる内容となっている。違反とならないためには、事前に十分な確認を行うことが重要だ。

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