2024年度の機能性表示食品の届け出件数(2024年4月~2024年12月末付の届け出を対象に集計)は、前年同期間比で大幅に減少した。小林製薬の「紅麹問題」の影響があったとみられる。2024年度の届け出件数は、前年同期間比で16.5%減少した。2024年度中に新規の機能性関与成分で行われた届け出を見ると、「メンタルケア」や「中高年向け」を訴求するものが多かったようだ。新規の機能性関与成分を配合した機能性表示食品の届け出が20件あった。その中で、機能性の表現の中に「中高年」というワードを入れた機能性を表示する成分が6件、「心理」「もやもやした心情」など、メンタルケアを表示する成分が4件あった。4月以降は、機能性表示食品の届け出の仕組みが変わる。届け出の件数や、よく使われる機能性関与成分、人気の訴求などにどのような変化があるのか注目される。
〈届け出ペースは衰え〉
GABAの届け出件数が突出2024年の機能性表示食品の届け出のペースは、2023年を下回った。2024年4月~2024年12月末までの届け出の件数は、前年同期間比16.5%減の967件となった。
ある大手健康食品通販会社は、「2024年3月に『紅麹問題』の発表があったことを受け、予定していた機能性表示食品の発売を控えたり、遅らせたりした』と話していた。同様の対応をとった企業が多数あったと考えられる。

消費者庁が2024年8月に、機能性表示食品のパッケージの表示を見直す方針を示したことから、届け出予定だった製品のパッケージの見直しを行った企業も多かったようだ。
月別の届け出ペースを届け出日ベースで見ると、6月度の機能性表示食品の件数は、2023年が180件だったが、2024年は25.6%減の134件となっていた。11月度は、2023年は136件だったが、2024年は37.5%減の85件だった。
4月からは、「PRISMA(プリズマ)2020」に準拠した届け出が求められるようになる。先立って、各社が「2020」に準拠した届け出を行ったものの、受理されなかったことが公開件数の減少に影響している可能性もある。
機能性関与成分別の届け出件数をみると、GABAを含む製品の届け出が、2023年に続いて突出して多いことが分かる。GABAを機能性関与成分とする届け出は毎年200件前後のペースで行われている。2024年4-12月のGABAを機能性関与成分とする届け出の件数は、成分別の届け出件数で最多の165件だった。

2024年度の成分別の届け出件数ランキングでは、2位には、「中性脂肪の減少」「体重減少」などのダイエットケアを訴求する「エラグ酸」が入った。3位には、同じく「体脂肪減少」などを表示する「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」が入った。エラグ酸は54件、「ブラックジンジャー由来ポリメトキシフラボン」は43件だった。
4位と5位には、アイケアなどを訴求する、「ルテイン」と「ゼアキサンチン」がランクインした。

森永乳業が届出件数最多
2024年4月~2024年12月の事業者別の届け出件数ランキングでは、森永乳業(本社東京都)が21件で最多となった。
森永乳業は、サプリメント形状の製品や、ドリンクタイプのヨーグルト、発酵酢ドリンクなど、さまざまな形状の商品を機能性表示食品として届け出ている。
森永乳業の機能性関与成分も、ラクチュロースやビフィズス菌BB536、L-テアニン、グアーガム分解物など、さまざまな成分を取り入れている。

表示する機能性も、「腸内環境改善」から、「認知機能の維持」「骨密度の維持」「睡眠の質の改善」まで、幅広い分野にわたっている。
2024年度の届け出件数が2位だった企業は、カーブス(本社東京都)だった。中高年女性向けのフィットネスクラブを運営するカーブスは、2023年度は21件だったが、2024年度は2024年12月末時点で16件、2025年1月9日時点で20件となり、昨年を上回るペースで届け出を行っている。
カーブスは、店舗に通う女性向けにクロスセルするための機能性表示食品の届け出を加速させているとみられる。
カーブスの届け出を見ると、2024年度に届けられた製品20件のうち、18件がプロテインだった。
〈表の見方〉
今回作成した各表については、消費者庁の機能性表示食品の届け出情報のデータベースで公表されているデータを基にまとめた。2015年4月1日~2024年12月31日の情報が対象。集計は2025年3月3日の時点で行った。それぞれの表によって集計期間は異なる。集計期間は各表に記載している。
全ての表の集計には、撤回された製品は含んでいない。
「DHA・EPA(EPA・DHA)」には、「DHA、EPA」など、DHAとEPAの両方を含むものを集計した。「DHA」や「EPA」のみを機能性関与成分とする製品は含まない。