化粧品、健康食品のサロン販売を手掛けるヤマノビューティメイトグループ(本社東京都、山野幹夫社長)は2024年、主力の健康食品「琥珀健寿茶」をリニューアルした。同社では、エステを主力として展開している代理店に対して、エステ以外の商品の提案力を身に付けてもらうことにより、顧客の健康に寄り添う、地域密着型のサロンにしていきたいという。スキンケア商品はもちろんだが、新たに導入した、健康をテーマとした施術や健康食品も、顧客に対して提案してもらいたいとしている。山野幹夫社長に、2024年を振り返ってもらいつつ、2025年の事業戦略について聞いた。
ピンチはチャンス
──2024年を振り返ってもらいたい。
昨年は中国向けの事業に注力した。上海で新たなパートナーと組み、国内にも、越境ECを展開する会社を作った。北京では別パートナーと、ヤマノとコラボレートした新業態サロンを現地で展開していくための会社も設立した。
国内では、中国インバウンド向けに、東京・銀座や新宿に免税店を開設した。
「ヤマノブランド」としての認知度を高めていく。オンライン・オフライン問わずに、現地のKOLなどと協力しながら展開していく。
中国では、2023年の処理水の問題などもあって、日本製品の展開が縮小している。
当社としては、ピンチの市場だからこそチャンスと考えて、あえて注力していく考えだ。
──国内での展開は。
まず、会社の体制として、製品を製造していたヤマノビューティケミカルという会社を、ヤマノビューティメイトグループに吸収した。社長である私が、トップダウンで製品開発を管掌できるようになった。
これにより、より現場の声を製品開発に反映できる体制が構築できた。研究開発に柔軟に資本を投資できる環境を整えた。
当社では、国内事業はもちろん、海外事業にも注力している。ただ、海外の製品のニーズは、国内のニーズとかけ離れることがある。使用できる成分や素材の規制もある。
新体制になり、国内と海外の両方のニーズを満たした商品をスピーディーに開発できるようになった。
エステメインも商品メインへ
──国内のサロン販売の現場の様子について聞きたい。
コロナで落ちた売り上げが、緩やかに回復した1年だった。2025年5月期の売上高は、前期比3%の微増に落ち着く見込みだ。
当社の製品流通は100%サロンでの販売となる。流通を増やすには、ヤマノ独自のエステ教室などを活用して、新たなエステの店舗を増やしていく形だ。
昔とは違い、代理店やサロンが新しくどんどん生まれる時代ではない。ただ、ヤマノの美容知識や独自技術、販売手法を持ってもらえれば、手に職がつき、一生続けられるビジネスができるということを、代理店を通じて伝えている。
当社の中でも、比較的若い代理店の中には、エステの技術の提供をメインで行ってきた人が多い。
ヤマノブランドのエステが広く認知されていることもあり、施術のみのお客さまも多く通っていただいている。まだまだお客さまと代理店が、ウィンウィンになる形での物販をする余地が多くあると考えている。
今後は、今までエステの技術を強みにしてきた代理店にも、商品の訴求力を高めてもらいたい。「技術を提供するエステサロン」として集客できている代理店に、エステ技術と連動している、オリジナル性の高い商品を伝える取り組みを強化していく。
そのためにも、去年から進めているのが、エステや化粧品に「健康」の要素を取り入れた、ヘルス&ビューティーの商品・サービスの開発だ。
エステにおいては、「天空の眠り『筋膜エステ』」といった、新しい健康エステメニューを開発し、人気となっている。
健康食品についても、3年かけて新たにリブランディングした。
「ST」と「KT」の2種に
──健康食品のリブランディングについて聞きたい。
当社では2019年に、「琥珀健寿茶」という顆粒タイプのサプリメントを発売した。この製品には、日本で初めて「琥珀」で当社が特許を取得した成分を、食品素材として採用している。
「S(脂肪)」「T(糖質)」「K(血圧)」にアプローチする3種類のラインアップを作った。リニューアル前は、累計で数万箱以上を販売した。
リブランディングでは、それぞれの良い部分をまとめて、「ST」と「KT」の2種類に改めた。
「琥珀を食べる」という点が、もっとも驚かれるが、それがフックとなって紹介がしやすい商品となっている。エステの施術後に飲んでいただくお茶としてサロンで提供しており、商品を提案するきっかけになっている。
エステの施術と共に商品を飲んでいただくので、体感性が高いのがポイントだ。対面で商品を説明できることも、お客さまの間で口コミが広がるきっかけになっている。
定期的に商品を配送する「お客さまお届けサービス」の利用率も高い。
サロンの稼働率が上がれば、「琥珀健寿茶」の販売数も増えていくだろう。次の課題は、お客さまがサロンに来る入り口をどのように作るかだ。
美容医療や美容クリニックのニーズも高まっているが、価格競争になり、サービスのイメージが悪化している側面もある。当社としては、お客さまの健康に寄り添う地域密着型のサロンとして、差別化を図っていくことを考えている。