「ひとりEC」で、自社ECサイト「ミウラタクヤ商店」を運営するモノリス(本社京都府)では、健康コーヒーをECで展開している。その傍ら、ECのコンサルティング事業も行っている。コンサル事業においては、特に単品リピートの販売を得意としているという。近年の健康コーヒーEC市場の状況と、同社の展開について、三浦卓也社長に話を聞いた。
いわゆる、D2C系の健康コーヒー事業者は、コロナ禍に急増した。当時は、かなりの数の健康コーヒーがあり、各事業者がウェブ広告も積極的に掲載していた。当時はほとんどの人が、何かしらの広告を見ていたのではないだろうか。
だが近年、定期購入に対する規制強化などを受け、悪質な事業者が中心ではあるが、プレーヤーがかなり減っている。ウェブ広告を目にする機会も、以前より少なくなった。
当社でも、健康コーヒーのウェブ広告では、費用対効果が見合わなくなってきている。「社会のため」「悩み解決のため」ではなく、「もうけるため」だけでやっていた人たちは、撤退したのだろう。
「ダイエット」という訴求が受け入れられにくくなってきているとも感じている。消費者のネットリテラシーも高まり、いかにも怪しい広告は見向きもされなくなっている。
個人的な見解ではあるが、健康意識の高まりにより、「ただ痩せる」から「スマートな食生活」へと人々の意識が変わってきているのではないか。
とはいえ、サプリと比べ、日常的に摂取しやすい健康コーヒーにはまだまだ可能性を感じている。
当社では、これまでは、ダイエットコーヒーを展開していたが、25年は新たな成分をプラスした商品を展開していきたいと考えている。
当社のような中小の「ひとりEC」事業者が、大きくマーケットを拡大できるとは思っていない。だからこそ、狭く深く、マーケットを絞った商品展開が必要だと考えている。
商品の需要が変われば、ターゲット層も変わっていく。これまで獲得できていなかった顧客層を獲得するチャンスにもなる。
現在も、当社の商品を、高齢の両親にプレゼントしたというレビューをいただくことがある。高齢者にとって必要な栄養素を、飲みやすい形で提供できるのは強みだと考えている。
「ドリンクで健康に」という時代は、まだまだ続いていくはずだ。今後も、顧客の悩みを解決できるような商品を展開していきたい。
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