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2025.04.07

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<CBD・ヘンプ業界横断勉強会> 業界関係者がCBDで議論 事業者・団体など約110人が参加

「CBD・ヘンプ業界横断勉強会兼懇親会」の様子

法改正を受けてCBDや大麻を巡る動きが活発化している。3月25日には、「CBD・ヘンプ業界横断勉強会兼懇親会」が開催された。業界の複数社が主催し、約110人が参加した。「産業大麻・栽培関連」や「CBD事業関連」「検査・認証・医療関連」をテーマに活発なディスカッションが行われた。法改正後のCBD市場の変化に関する報告や、THCの検査機関についての問題が提起された。


「CBN」の規制も


同会を主催したのは、Asabis(アサビス、本社東京都)とGreenTradeJapan(グリーントレードジャパン、本社東京都)だ。

CBD事業関連のディスカッションでは、法改正後の現状についての報告が行われた。

(一社)全国大麻商工業協議会(所在地東京都)の代表理事を務める須藤晃通氏は、「(CBD製品のTHC残留基準の)数値が厳しいのは事実。今後、買い上げ調査などで問題が起きる可能性は出てくるだろう」と話した。

(一社)日本カナビス産業協会(所在地東京都)の代表理事を務めるマイケル・ボブロブ氏は、「日本の法律としては、このルールでいいと思う。だが今後のCBD市場の発展を考えると、疑問もある」と話していた。

CBDに類似したリラックス成分として注目を集める「CBN」についても問題提起された。(一社)GREEN ZONE JAPAN(グリーンゾーンジャパン、所在地埼玉県)の代表理事、正高佑志氏は「CBNはメンタルヘルスのケアなどの用途で使用されている。仮にTHCVのときのように、指定薬物として規制されると、現在使用しているユーザーが大きな負担を強いられる。そうなる前に、含有量や販売方法などについて、業界としてレギュレーションを設けていくべきではないか」(正高氏)と主張した。


検査機関の認定制度を


カンナビノイド検査についてのディスカッションでは、KCAラボジャパン(本社東京都)やAnresco Japan(アンレスコジャパン、本社東京都)などの検査機関も登壇した。

検査の現状について、KCAラボジャパンのオペレーションマネジャーである天野開翔氏は、「従来の方法に加えて、高感度の機器を使うため、コスト高になるのは必至」としていた。

厚労省がウェブサイトに掲載している、検査機関のリストについて、アンレスコジャパンの日本エリア責任者である神津大地氏は、「承認のプロセスがあるわけではない。『検査できます』と手を上げれば載ることができる」と話した。「厚労省は、指定しているフォーマットに沿って検査をしている機関があれば問題はないとみているようだ」(同)との見方も示した。

KCAラボジャパンの天野氏は、「厚労省は、同等の精度を担保していれば問題ないとしているが、この『同等の精度』を担保できている機関なのかが分からないのが問題だ。今後は、検査機関について認定制度を設ける必要があるのではないか」と話した。

神津氏は今後、独立研究所協議会(ACIL)の日本分科会として、取り組みを開始する方針を示した。CBDの検査に関する認定制度などを提言し、厚労省への働きかけなども行っていく考えだという。


▲CBD事業者など約110人が参加


栽培は出口が課題


2025年3月1日、大麻取締法の第2段階施行で、大麻草の栽培に関する免許区分が整備された。

大麻草の栽培に関するディスカッションでは、「栽培のあとの加工や製品化といった最終的な出口」が課題だという意見が多く聞かれた。
 (一社)麻産業創造開発機構(事務局三重県))の理事で、HEMP HUB(ヘンプハブ)を主宰する菟田中子氏は、「栽培に興味を持つ人は出てきているが、製品化への道筋ができていない」としていた。「栽培後の加工も、栽培免許がないとできないため、なかなか委託ができない。小規模な農家が高額な加工設備を導入することは難しい」(同)とも話していた。

埼玉県で大麻草の栽培を検討している森みどり氏は、「栽培を始めるにあたり、最終的な出口戦略を見つけられていない」と話していた。

大麻草の栽培については、事業計画で栽培後の加工、製品化などで採算が取れるところまで準備をしないと免許がおりないという。小規模な農家だけでは対応が難しいことから、国内での栽培が拡大していくのは、中堅・大手企業の参入が始まってからになりそうだ。

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