公式ホームページには、「これまでの旅路に感謝します」の題名で「23年間、愛するコミュニティの皆様にご愛顧いただき、誠にありがとうございました。このたび、私たちは事業を終了するという難しい決断をいたしました。長年のわたるご支援、ご信頼、ご愛顧に心より感謝申し上げます。初期からのご利用者様も、最近知ってくださった方も、私たちの物語の一部になっていただき、ありがとうございます。Modere一同、心より御礼申し上げます。本当にありがとうございました。」というメッセージのみで、今後の製品購入の方法やアフターサービスなどに関する説明は一切ない。代表電話も不通となっている。
4月14日に東京都港区のモデーアジャパン本社を訪ねたところ、1階サロンは「臨時休業」の札がかけられて閉鎖されており、カウンターに陳列されていた製品は、全て撤去されていた。社員らしき人の姿は見受けられたが、話を聞くことはできなかった。

▲港区の本社1階のサロンの様子
その後の取材で同社は、4月26日に横浜で予定されていた表彰イベント「SRC(ソーシャルリテールカンファレンス)2025」の中止の連絡を招待者にしていると述べた上で、「日本の業務を終了する。米国本社をはじめ、全ての国において終了となる。モデーアジャパンでは、狩野社長をはじめとする社員が集まって、今後についての話し合いを行っている」と状況を説明した。ソーシャルマーケター(ビジネス会員)とカスタマー、取引先などへの対応については、「協議中」だとコメントしている。
モデーアジャパンの社員に対しては、日本時間の12日午前5時頃、米国本社から突然、業務終了の通達があったが、営業時間外の早朝だったため、対応ができなかったという。
モデーアジャパンが会員社として所属している公益社団法人 日本訪問販売協会の大森俊一専務理事は、「モデーアジャパンから連絡は何もないので困惑している。会社がしっかり責任を持って、会員の皆さんに何らかの通知をしていただくしかない」とコメントしている。
モデーアジャパンは、旧ニューウエイズの創業者トム・モウアー、ディー・モウアー両氏が1985年、ニューウエイズの前身となるイメージ社を創業した。
1992年に社名をニューウエイズに変更し、1996年に日本に上陸してディストリビューター登録を開始。01年10月に正式開業した。2000年8月期売上高は185億円を記録し、以降は6年連続で急成長を続け、2006年8月期には670億円と過去最高売上を達成し、ネットワークビジネス業界第3位となった。
2006年に米国投資会社ゴールデン・ゲート・キャピタルがオーナーとなる。2008年2月、経済産業省がニューウエイズジャパンを3カ月間の業務停止命令の行政処分を行う。2013年7月には米国投資会社のZキャピタルパートナーズが支配株主となった。
そして2015年4月に新ブランド「Modere」を立ち上げ、モデーアジャパンに社名を変更。ソーシャルメディアでビジネスを展開してカスタマーを獲得するビジネスモデル「ソーシャルリテール」を打ち出して、EC分野にも力を入れていた。