セブン&アイ・ホールディングス(HD)の通販事業が縮小傾向にある。25年2月期のイトーヨーカ堂のネット通販売上高は前期比14.6%減の24億8200万円、ネットスーパーの売上高は同24%減の221億700万円だった。セブンネットショッピングのEC売上高は同24.7%減の144億8500万円だった。
2025年2月には、「イトーヨーカドーネットスーパー」のサービスを終了した。2024年7月には、ニッセンホールディングスを医療用品の通販を展開する歯愛メディカルに売却した。通販関連事業の整理を進めている。
一方でセブン―イレブンによるクイックコマースサービス「7NOW」は強化する方針だ。2031年2月期に売上高を1200億円まで拡大することを目指す。
「7NOW」はセブン―イレブンの商品を最短20分で自宅や職場などに届けるサービス。今後の主な強化策として、SIP要素の展開と連動した施策を実施し、「7NOW」の利用促進を目指していく。
SIPとは「セブンーイレブン・ジャパン(SEJ)・イトーヨーカ堂(IY)・パートナーシップ」の略で、コンビニエンスストアとスーパーマーケットを組み合わせた新業態の店舗のこと。イトーヨーカ堂が長年培ってきた生鮮食品などの商品開発や展開方法に関する知見をセブン―イレブンに投入している。
2025年2月度におけるSIP要素導入のテスト店における「7NOW」の平均注文件数は、全国平均の2.0倍だった。1店舗当たりの1日の売り上げは全国平均比約0.4%増、粗利額も同約0.5%増だった。SIP要素を既存店舗にも展開し、「7NOW」の成長にもつなげていく考えだ。
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