ズーティ―は2002年に設立し、20代~40代前半の女性をターゲットとした、ファッションや雑貨などを販売するECサイト「イーザッカマニアストアーズ」などを運営していた。「楽天市場」にも2002年に出店しており、2025年1月に受賞式を開催した「楽天ショップ・オブ・ザイヤー2024」では「総合4位」「レディースファッションジャンル大賞」「最強翌日配送大賞」「ラ・クーポン大賞」を同時受賞していた。
自主ECサイトや「楽天市場」以外にも、「Yahoo!ショッピング」「ZOZOTOWN」「au PAY マーケット」などにも出店していた。ユニークな商品や卓越したサイトデザイン、顧客視点のカスタマーサポートなどで、多くのネットショップから参考にされる事業者だ。
特に「楽天市場」においては古参の有力店舗であり、中小規模から「楽天市場」と共に大きく成長し、いわゆる「楽天ドリーム」をつかんだ店舗の1つとして注目されている。「楽天市場」の有力店舗を中心に構成されている「楽天市場出店者 友の会」では、浅野かおり取締役が第4期の代表世話人を務めていた。人気・実力ともにある有力店舗であるだけに、今回の経営破たんは業界内に大きな波紋を投げかけている。
4月14日には「イーザッカマニアストアーズ」の各サイトでの商品の販売を停止していたことが確認されている。「楽天市場」内で運営していた兵庫県の公式アンテナショップ「ひょうごマニア」の運営をズーティーが受託していたが、「ひょうごマニア」も3月31日で受注を停止していた。
ズーティーの直近決算における売上高は下記の通りだ。
42億7200万円(2024年9月期)
37億5600万円(2023年9月期)
42億5400万円(2022年9月期)
36億3600万円(2021年9月期)
37億2900万円(2020年9月期)
37億2900万円(2019年9月期)
40億100万円(2018年9月期)
36億5400万円(2017年9月期)
40億円前後で売上高の増減はあったものの、高い水準を維持していた。物流への投資や継続的な販促費の投下などで大きなコストがかかっていたことは想像できる。
アフターコロナや円安進行などにより、製造コストや顧客獲得コストも高まっている傾向にある。アパレル業界では特に海外の格安ECの台頭により、顧客獲得の難易度が増している状況が続いていた。
その中でも「イーザッカマニアストアーズ」は売上推移を見ても、顧客獲得においては順調だったように見える。収益面は外から伺い知ることはできないが、厳しい状況にあったと推測できる。