延床面積2000平方メートル未満の新築建物に太陽光発電の設置を義務化する制度が今年4月1日から東京都でスタートした。
設置に関する相談先は、都から委託を受けているクール・ネット東京(事務局東京都)が窓口となっている。
相談状況についてクール・ネット東京は、「個人からの問い合わせも少なからずある。うちは義務化の対象になるのかといった相談もある」としている。その上で、「以前と同様、義務化に関する内容の確認や相談の連絡を1日以降も受けている」。
太陽光発電の設置義務化は、2030年のカーボンハーフ、2050年のゼロエミッションの実現に向けて開始した。脱炭素社会の基盤の確立と、エネルギー安全保障の確保を加速していく目的もある。
都の資料によると、都内の住宅屋根に設置されている太陽光発電の棟数は、住宅建物約225万棟に対し、約9.5万棟となっている。
太陽光発電の設置を加速させるため、都では住宅購入者向けに「初期費用ゼロスキームへの補助」を導入し、リースや電力販売、屋根借りで太陽光発電サービスを提供している事業者を支援している。「住宅用太陽光パネルのリサイクルの促進」も行っている。
それまでの制度を拡充した「太陽光発電設備等の機器設置費用に対する補助制度の充実」は、設置時の初期費用や設備の更新費用の補助を手厚くした。
住宅供給事業者向けには、「事業者への制度施行に向けた着実な準備に対する支援・先行的取組へのインセンティブ」を加えている。
太陽光発電の義務化で普及が進む一方で、設備や蓄電池のリサイクル問題は残ったままだ。再生可能エネルギー分野の課題について取り組みが広がる機会となるか、注目される。