ベルシステム24ホールディングス(HD)の2025年2月期のCRM事業の売上高は、前期比3.3%減の1431億9600万円だった。セグメント利益は同10%増の120億8800万円だった。コロナなどの国策関連業務が大幅に減少したことで減収となった。だが、販管費の抑制や、子会社株式の一部売却などにより、増益となった。
CRM事業においては、生成AIなどの新技術を活用し、高い利益率が見込めるソリューションモデルへの変革が重要となっている。変化する市場環境の中、顧客接点の多様化に伴う対応領域の拡大とデータ活用により、業務品質や付加価値の向上に努め、新たな事業領域の開拓を推進してきた。
中期経営計画で掲げた「人材(総力4万人の最大活躍)」「型化(データ活用の高度化)」「共創(NEW BPOの領域開拓)」の三つの重点施策を加速させることで、持続的な成長の実現を目指してきた。
「型化(データ活用の高度化)」においては、1300社以上の顧客のコンタクトセンターや営業代行、事務処理等のBPOサービスを手がける中で蓄積したナレッジやフレームワークを応用した業務プロセスの変革を企画・実行するサービス「BPRコンサルティング」の本格的な提供を開始した。
さらに、コンタクトセンターでの生成AI活用に向けて、参加企業間での事例共有を行うユーザー企業参加型プログラム「生成AI Co-Creation Lab.(コ・クリエーションラボ)」の提供も開始した。
今後の展望として、主要ビジネスであるCRM事業を中心として、既存クライアントとの取り引き拡大を目指す。
伊藤忠商事やTOPPANの多様な企業ネットワークを活用し、新規クライアントの獲得やアウトソーシングニーズの取り込みにより売り上げ拡大と、蓄積したデータ・知見を生かし、コンタクトセンターの次世代化による利益率の向上を進めていく。
生成AIと顧客対応データを活用した新しい顧客体験の実現により、クライアント企業の期待水準を上回るビジネス価値を創造していく計画だ。