アパレルの輸入販売などを行う井上通商(福岡県、井上由郎社長)が2025年2月7日までに事業を停止し、福岡地方裁判所へ自己破産を申請していたことがこのほど分かった。2月14日に、破産手続き開始決定を受けていた。井上通商は、「HAPTIC(ハプティック)」という店舗名で、楽天市場などでEC事業を運営していた。2020年と2022年には、優秀な店舗を表彰する「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)」も受賞していた。
破産管財人の佐藤至弁護士によると、井上通商は、台湾や香港、中国などのアジア地域から洋服や雑貨などを輸入し、国内の卸売業者へ販売していた。2020年1月期には売上高約120億円を計上していたという。
2020年に「楽天SOY」を受賞した際には、EC売り上げが前期比10倍に伸長したことなどを、本紙取材に対し明らかにしていた。2020年9月に発売した「本革お掃除スリッパ」という商品は、累計3万足以上売れたことなども話していた。
一方で、新型コロナの感染拡大により売り上げが大幅に減少。そんな中、同社の従業員が運営する別の会社との架空取引が明らかになり、取引先からの信用を失った。取引先との取引が停止するなどしたことから、2024年1月期の売上高は、約20億円にまで落ち込んだとしている。
同社の負債総額は約40億円に上るとしている。同社のEC事業は、事業再編などを行うTHESTANDARDGROUP(ザ・スタンダードグループ、本社福岡県)が事業譲受していた。2月28日付でTHESTANDARDGROUPは、現在の「HAPTIC」ブランドの運営状況について明らかにしていない。
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