Nintでは、2023年7-9月の京東と天猫の二つのECプラットフォームの販売状況を調査したという。3カ月の間に、それぞれのプラットフォームで販売された製品の上位1000ブランドの平均売り上げは、2022年7-9月と比較して17%落ち込んだという。ECプラットフォーム全体で市場が縮小しているようだ。
その中でも、「日本」を訴求するブランドだけを見ると、平均70%減少しているという。ただし、「日本」訴求ブランドの中には、商品名を変えるなどした結果、昨年と売り上げの比較ができなくなったケースも多かったという。
Nint経営戦略室の堀井良威氏は、プラットフォーム全体がマイナス成長になっていることと、特定のジャンルの市場がマイナス成長となっていることは、分けて考える必要があるという。
その上で、2022年の7―9月の各ジャンルの成長曲線と、2023年同期間の成長曲線を比較すると、「食品・保健食品」「美容・スキンケア」「ベビー・マタニティー」といったジャンルの日本ブランドが、昨年と異なる曲線を描いており、処理水の放出を原因としたマイナス成長が続いているとしている。
「『食品・保健食品』ジャンルは、8月は前年よりも売り上げが伸びたにもかかわらず、それ以降は前年を全く上回っていない。『美容・スキンケア』は、食品ジャンルよりも下げ幅が大きく、底打ちもしていない」(堀井氏)などと話した。
Nintが提供している中国EC市場のデータ分析サービス「Nint for China(ニントフォーチャイナ)」を利用すると、こうしたデータを全て確認することができるという。