シューズやアパレルなどをリアル店舗やECで販売する「Z-CRAFT(ゼットクラフト)」運営のロイヤルが5月27日に民事再生法の適用を申請したと、帝国データバンクが報じた。「イーザッカマニアストアーズ」や「香水通販‐CAT」など大手ECモールの有力ショップが相次いで破産に追い込まれる中、「楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー(SOY)2023」総合4位を受賞した「Z-Craft」も厳しい状況に陥っていたようだ。
「Z-CRAFT」はリアル店舗を全国展開しながら、いち早くECの取り組みも本格的に展開し、主要ECモールに積極的に出店していた。大手ECモールでは、華々しい受賞歴を誇る。前述の「楽天SOY2023」の総合4位だけではなく、「楽天SOY2006」では総合2位まで上り詰めたこともある。「楽天SOY2018」でも総合8位に入賞している。それ以外の年でも「楽天SOY」の靴ジャンル賞などをいくつも受賞してきた。
「ヤフーショッピング」においても「年間ベストストア2024」のメンズファッション部門で第3位に入賞したり、「au PAYマーケット」の「ベスト・ショップ・アワード」でも総合賞を獲得している。
同社は主に海外ブランドのシューズやウェア、バッグなどの並行輸入商品を格安価格で販売し、売り上げを伸ばしてきた。モール内でクーポンやキャンペーン施策も効果的に展開していた。近年は自社ブランドの雑貨類なども販売し、収益力の向上を図っていたようだ。
ファッション業界では為替の影響などによる生産・仕入コストの増加、海外の格安ECとの価格競争の激化など、厳しい環境が続いている。ECモールで売り上げを拡大し、販売コストが増加したまま、環境が一気に悪化し、資金繰りが回らなくなるといったケースもあるようだ。
「Z-CRAFT」は民事再生法の適用を目指し、経営再建を目指す。ショップは現在も運営を継続している。
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