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2025.06.13

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【B2B-通販のCRM】藤原農機、「アクションリンク」でリピート売上38%増

栗栖一基COO

農機具や肥料をインターネットで販売する藤原農機(本社和歌山県、藤原太一社長)は、2025年1月に導入したCRMツール「アクションリンク」によって、売り上げとリピート率の大幅な向上を実現している。2025年には、前年同月比で売り上げが38%増加した月もあったという。


農家向けBtoB-EC


以前は、自社サイトの売上比率が最も高く、ピーク時には全体の40%を占めていたという藤原農機。現在は、楽天市場経由の購入が多く、肩掛けタイプの草刈り機が主力商品となっている。

主な顧客は、農業を営む個人事業主。自走式草刈り機やチェーンソーなどの大型機器も人気を集めている。

同社の強みは、農協などの実店舗では物理的に難しい、豊富な品ぞろえを実現していることにある。藤原農機では、倉庫を活用することにより、農家の多様なニーズに応える、幅広い商品ラインアップを実現している。月間の購入件数は、夏の繁忙期になると、通常期の2倍以上の1万件にもなるという。

「アクションリンク」の導入以前は、リピート率や購入傾向といった、顧客の行動が把握できていなかったそうだ。

アクションリンクの導入により、既存顧客に対して、閲覧履歴や購買データに基づくレコメンドや、カゴ落ち商品の案内、売れ筋ランキングの紹介などを、メールで送れるようになった。草刈り機を購入した顧客のうち89%が1年以内に替刃を再購入しているというデータも、同ツールによって明らかになった。

こうしたデータを基に、季節ごとのニーズに応じたメールマガジンや販促メールを配信するようにしたところ、サイトへのアクセス数が向上。リピート購入にもつながっているという。

藤原農機のECでは特に、草刈りが始まる3月頃からの購入が多いとしている。その後は、替刃や除草剤など消耗品の需要が高まるのだという。

1年に1回、決まった時期に購入されることが多い商品については、過去の購入履歴を基に、前回の購入から330日後に「昨年この商品を購入されました。今年もいかがですか」といったリマインドメールを送信し、再購入を促すようにしている。このようなメール施策は、顧客の利便性向上と、同社の売り上げ確保の両方に貢献している。

延長保証の充実も


同社では、購入後に1年間の保証が付く農機具について、「もう1年保証を延長しませんか」という案内もメールで送れるようになった。今後はこうしたリピート促進施策をさらに充実させていく方針だ。

藤原農機COOの栗栖一基氏は、「導入コストが少なく、画面も直感的で使いやすい」とアクションリンクを高く評価。特に、あらかじめ設定された「鉄板シナリオ」を活用することで、施策設計の負担が軽減され、売り上げに対する効果が早期に現れるようになったと語る。

アクションリンクを提供するファブリカコミュニケーションズの山本篤廣氏は、「BtoBのECこそCRMで売り上げが上がる」と指摘する。一般的にBtoBではリピート施策が十分に行われていないケースが多く、簡単な施策でも売り上げ向上の効果が期待できるという。営業の代替手段としてメールで顧客との信頼関係を築ける点も、大きなメリットだという。

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