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2025.06.30

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健康食品

日本生物.科学研究所、50周年祝賀会を開催 国産アスタキサンチンを第2の柱に

鏡開きの様子

日本生物.科学研究所(本社大阪府、東建一郎社長)は5月27日、「創業50周年記念祝賀会」をリーガロイヤルホテル大阪で開催、取引先など国内外から約200人が参加した。東建一郎社長が、代表権のある会長に就任し、新社長に、東潤一郎副社長が就任する予定であることを発表した。大分県に「九州培養プラント」を新設し、自社培養のヘマトコッカスから抽出した、国産の「アスタキサンチン」の供給を今夏から開始することも明らかにした。


東潤一郎新社長が就任へ 東建一郎社長は会長に


同会では冒頭、東建一郎社長が登壇し、健康寿命の延伸が社会課題となる中、エビデンスの充実したサプリメントの供給に取り組んでいく方針を改めて示した。国産アスタキサンチンを製造する「九州培養プラント」が、今年4月に竣工したことも報告。自身が会長に就任し、後任の社長に、息子である東潤一郎氏が就任する予定であることも発表した。

アスタキサンチン事業の功労者表彰も行った。3社の3人に、東社長から感謝の盾が贈呈された。東社長と東潤一郎氏、来賓数人による鏡開きも行われた。


「アスタキサンチン」今夏に上市予定


会の終盤には、社長に就任する東潤一郎氏が登壇。日本生物.科学研究所の企業理念を「自然素材を科学し、日本から世界をもっとすこやかに」に刷新したことを報告した。今夏上市予定の「アスタキサンチン」を「ナットウキナーゼ」に次ぐ第2の柱として推進していく方針を示した。


▲50周年祝賀会の様子

同会では、クラシックバレーや日本舞踊も披露され、参加者は豪華な料理に舌鼓を打った。
 

東建一郎氏あいさつ要旨

新事業にチャレンジする

今年で84歳になったが周りから「相変わらず元気だが、秘訣は?」と聞かれる。「秘訣はないが、うちのサプリを全部、毎日欠かさず飲んでいる」と話すと「なるほど。説得力がある」と言われる。

日本は最大の長寿国と言われるが、平均寿命と健康寿命には10歳以上のかい離がある。後期高齢者である75歳になると免疫機能や内臓機能が低下して病気にかかりやすくなる。80歳以上になると、何らかの疾患を持って病院に通っている人が90%となる。

がんやアルツハイマー、糖尿病といった、難度の高い病気の治療薬の研究も進んでいるが、国民健康保険は多額の赤字を抱えており、難病の治療に健康保険を使うとなると、保険料をかなり上げなくてはならない。

今一番問題になっているのが「団塊の世代」だ。その最後に当たる、昭和24年(1949年)に生まれた300万人弱も、今度後期高齢者の仲間入りをする。そうすると、病院にかかる確率が高くなり、治療費が上がる。世界的に高い評価を受けている、日本の健康保険制度も崩壊の危機に直面する。保険料を負担するのは現役世代だ。1990年のバブル崩壊以来、失われた30年ということで、現役世代の30年間の賃金上昇率はわずか10%程度だった。世界第2位の経済大国だった日本は、中国、ドイツに抜かれて、今は4位になった。もう1~2年するとインドにも抜かれ、4~5年するとインドネシアにも抜かれると言われている。この30年は、日本の損失が大きかった。

ようやくこのことに企業が気付き、賃上げに取り組むようになった。ただ、最近の円安も伴って、消費者物価は上昇しており、当面下がる気配がない。社会保障費も増えており、これが賃上げを相殺し可処分所得はむしろ減っている。

介護保険も崩壊に近づいている。介護会社の倒産が相次いでおり、特に訪問介護は人手不足で破綻寸前だ。現役世代の負担が増えると、現役世代の生活が崩壊してしまう。日本の将来の破綻にもつながってしまう。


▲東建一郎氏

そこで私は、高齢者に意識改革をしてもらいたいと思っている。健康寿命を上げるということに皆が官民一体となって努力する必要がある。健康で長生きする意志を持つことが大切だ。そこに貢献するのが、私どもが扱うサプリメントだ。抽象的な表現で売られているサプリもたくさんあるが、当社のサプリは、きちんと臨床を行いエビデンスを積み重ねて、効果効能を確認し、安全性も確認し販売している。そういうサプリであれば、必ず効果が期待できる。

私どもは今、海外45の国と地域にナットウキナーゼを輸出している。ナットウキナーゼも世界的に有名になってきて、模造品もたくさん出回るようになっている。その中で、私どものナットウキナーゼを支持してくださる企業は、当社品を安定して買ってくれている。背景にあるのは「信頼」だ。しっかり確認し科学的根拠をもって販売することが一番大事だ。だからと言ってサプリだけ飲んでいれば改善するかといえばそうではない。食生活の改善、適度な運動、禁煙などの努力を、高齢者にはしてもらう必要がある。

赤字を抱えた病院も多く、病院が儲かっているわけでもない。どこもかしこもが行き詰っている。そういう中で、私どもは健康寿命を押し上げていきたい。そのために何ができるかを考えていかなければならない。

私たちの商品は、今度加わるアスタキサンチンを含めると7アイテム。しっかりと科学的裏付けを持って展開することを、当社では基本にしている。特に海外では、抽象的な宣伝文句だけでは採用してもらえない。今後もっともっと世界に拡大していきたい。エビデンスに基づいた商品を展開するということに、信念をもって取り組む。それが、商品の信頼、ひいては会社の信頼にもつながっていく。

アスタキサンチンのプラントだが、昨年の8月に着工し、今年4月に完成した。従来のアスタキサンチンは、海外で培養したものがほとんどだった。何とか国内で培養できないかと考え、東大発ベンチャーであるアルガルバイオさんの協力を得て、共同研究を5年にわたって行った結果、目標に達することができた。アスタキサンチンというのは、抗酸化作用がサプリの中では断トツだ。化粧品にも多く使われているため、化粧品のメーカーにも売り込むべく取り組みを進めている。今後ともこれまで以上のご支援をお願いしたい。

私は、社長を退き、息子に社長職を譲ることにした。私から仕事を取ると何も残らない。代表権を持ったまま会長に退き、従来の仕事を行うとともに、新しい素材開発へのチャレンジや、新しい事業へのチャレンジをやってみたい。84歳になって、やめておいた方がいいと周囲にも言われるが、私は死ぬまでチャレンジを続けたい。見捨てずに今後ともよろしくお願いしたい。

東潤一郎氏あいさつ要旨

「日本発」で世界の健康に貢献

このたび次の社長に就任させていただくことになった。私は、現在まで、漬物を販売する関連会社の東乃匠の社長を務めてきた。今から55年前に父である東建一郎が初めて立ち上げた会社だ。

60年ほど前、当時20代半ばの若者が九州から大阪に出てきて、何年かのサラリーマン生活を経て、漬物業を起こした。創業当時は財務基盤も脆弱で、少人数で日曜関係なく働いていた。私も幼いころ、父に遊んでもらった記憶がない。商売の中で何度か経営の危機もあったと聞くが、そのときも彼の持ち前の「必ず成し遂げるんだ」という、強い覚悟と執念で成長を続けてきた。約40年前にこの日本生物.科学研究所の経営に参画した。このたび50周年を迎えることができた。これには、経営トップのリーダーシップ、それについてきた社員の努力もさることながら、何よりも皆さまのお力添えの賜物と心より感謝申し上げる。

 
▲東潤一郎氏

このほど、企業理念を「自然素材を科学し、日本から世界をもっとすこやかに」に刷新した。これまで大切にしてきた、自然素材由来の原料にこだわり、消費者視点の安心・安全を追求し、日本発の機能性素材で世界の健康に貢献し続けていく。

新たに始めるアスタキサンチン事業は、培養から国内製造にこだわっている。紅麹問題以降、培養物には皆さまから厳しいお声をいただく中、皆さまに安心してご購入いただけるアスタキサンチンをお届けするためで、この夏の上市に向けて、鋭意開発を進めている。皆さまのお力を借りながら、ナットウキナーゼに次ぐ第2の柱として、推進していく。

私自身が強いリーダーシップをもって経営に当たるのはもちろんだが、これまで以上に企業を成長させていくためには、社員一人一人が主体性をもって自ら考え行動する組織になることが重要だ。組織づくりも含め、私たちが成し遂げるべき重要な役割と捉えている。今後も、これまで以上に、皆さまと深い関係となれるよう精進していく。

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