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2025.07.03

特集

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【2025年版 化粧品訪販売上高ランキング】市場規模は3095億円に 実質成長率は0.5%のマイナス 物価高で消費減退か

日本流通産業新聞がこのほどまとめた「2025年版化粧品訪販売上高調査」では、ランキング化した67社の合計売上高は、3095億28万円となった。前年と比較可能な23社で算出した実質成長率は、0.5%のマイナス成長となった。市場は完全にコロナ前に戻ったものの、さまざまなモノの値段が上がったことが影響。消費者の消費意欲が低下し、市場の縮小につながったとみられる。




大手の減収基調続く


2024年の化粧品訪販市場では、引き続き、ポーラや日本アムウェイなど大手が減収だった。ランキング67社中増収となったのが13社、減収だったのが10社だった。化粧品の売上高を明らかにしていない大手においても、横ばいか減収となった企業が多かったようだ。

化粧品の訪販・サロン販売大手のポーラでは、2024年12月期において、販売員やサロンショップ数の減少が続いた。委託販売チャネルでは、成長店舗群の売り上げが伸長したとしているが、全体の減収の歯止めはかかっていない。

ショップ数は、2023年12月末時点から、138店舗が減少したという。

ポーラでは2025年9月、主力の高級化粧品ライン「B・A(ビーエー)」を刷新する。夏には、新「B・A」を取り入れたサロンでのエステメニューも刷新する。エステをセットにした化粧品の販売を前面に押し出すことにより、顧客のLTVの向上を図っていくとしている。

ナリス化粧品やナガセビューティケァといった訪販主体の企業も、「売上高は前年と横ばいになった」と言う。エフエムジー&ミッションでは、上半期までは好調だったが、物価高や、トランプ大統領の発言など、さまざまな要因によって消費者の購入意欲が減退、緩やかな減収につながったとしている。

ヘアケアやメーク品など、スキンケア以外のニーズも高まっているとみられるが、韓国製や中国製を含めた安価な製品群に押されがちという側面もあるようだ。


増収と減収で二極化


NBにおいては、増収する企業と、減収する企業が、はっきり分かれているようだ。

QUALIAやDAIYAMONDLIFE、シナジーワールドワイド・ジャパンなどが増収した。

QUALIAは、美容液やサプリメントの2商品を組み合わせて購入できる商品を9パターン用意し、継続購入する製品愛用者を手厚くフォローする取り組み行ったという。購入しやすい価格帯に見直し、継続的に購入すると半額で購入できるセールを実施するなど、継続購入の動機付けを行ったことにより、増収につながったようだ。




表の見方


▽「訪販化粧品売上高ランキング」は、全国の訪問販売実施企業が対象。アンケート調査や取材をもとに売上高を算出して独自に作成した。売上高の回答がない企業は周辺企業への取材結果などを基に推定した。推定数字には「※印」を記載した。

▽調査対象は、2024年4月から2025年3月の間に迎えた決算期。化粧品専業企業は全社売上高、化粧品以外の商品ジャンルも扱う企業は化粧品部門の売上高を掲載した。

▽売上高は百万円単位。増減率の%は少数点第2位を四捨五入した。▲はマイナスを表す。表中の「-」は不明、もしくは算出不能。

▽化粧品の定義は「スキンケア、ベースメーク、メーキャップ、ヘアケア、クレンジング、せっけん、香水、バスケア」

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