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2025.07.02

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【通販化粧品 トップインタビュー】ハーバー研究所 西幹男社長、「中計の最終年度は『飛躍期の元年』」

西幹男氏


ハーバー研究所の2025年3月期の、ECを含む通販事業の売上高は、70億4600万円となった。同社が発表した3カ年の中期経営計画によると、最終年度である2028年3月期を「飛躍期の元年」と定めており、連結売上高160億円の達成を見込んでいる。同社の通販事業における、これまでの取り組みや、中期経営計画について、新社長に就任した西幹男氏に話を聞いた。





新社長に就任


──2025年に、代表取締役社長に就任した。就任の経緯や、思いについて聞きたい。

2006年から2010年まで、ハーバー研究所の常務取締役を務めていた。その4年間で、通販業界や、化粧品、ハーバー研究所の理念について深く学んだ。通販事業は、お客さまとの直接的な接点が少ないにもかかわらず、データによって、店舗以上に、お客さまのことが分かる世界だと感じていた。
 
その後ハーバー研究所を離れていたが、縁あって2024年6月に専務取締役として復帰。2025年6月18日付けで社長に就任した。

ハーバー研究所は新たなステージに向かっていく段階にある。自信のある、良い製品を作っているという自負がある。ロイヤルティーの高いお客さまも多い。商品の良さを広め、お客さまへの貢献度を高めていきたいと考えている。

──御社の事業について聞きたい。

当社は、防腐剤パラベン、石油系界面活性剤、合成香料、鉱物油、タール系色素を配合しない、「5つの無添加」を守って化粧品を開発し、「無添加主義」を貫いてきた。

2025年3月期の連結売上高は120億6100万円だった。そのうち、通販・EC事業の売り上げが70億4600万円と、58.4%を占めている。

その他の販路としては、百貨店向けやドラッグストアなどの卸売りや、海外への販売、直営店がある。
 
──通販事業で注力したことは。

今年初めに、お客さまの利便性をより高められるように、自社ECサイト「ハーバー公式オンラインショップ」をリニューアルした。リニューアル後、一人当たりの売り上げ金額が伸長するなど好調に推移している。

コンテンツにも引き続き力を入れている。自社のオウンドメディア「HABA note+(ノートプラス)」や、紙の会員情報誌「美容手帖」など、通販担当メンバー全員が、持ちまわりでコンテンツの制作を行っており、幅広いコンテンツを取りそろえている。

お客さまに「美容手帖のコンテンツ」について、アンケートで「美容手帖に登場して欲しい人物」を聞いたところ、上位に上がったのが「当社の商品開発担当者」だった。商品への興味関心の高さが伺える一面だった。

今後もお客さまのニーズに沿った、より楽しんでいただけるようなコンテンツ開発を心掛けていく考えだ。


紙ならではの強み


──「美容手帖」の発行頻度は。

年に9回ほど発行している。毎回48ページほどの構成となっている。 

美容手帖を見ながら、スマホで注文していただくことも多い。紙媒体であれば、手元に置いていただき、見ていただく時間がより長くなると考えている。

ウェブ全盛の現在において、紙ならではの強みを重視し、お客さまとの大切な接点として位置付けている。

──中期経営計画についても聞きたい。

3カ年の中計の計画骨子として、「基盤強化」と「事業拡大」の2軸を掲げた。

具体的には、人的資本の強化、収益構造の改善、製品開発の強化、顧客接点の拡大を行っていく。

──今後の展望について聞きたい。

中期経営計画の初年度に当たる今期(26年3月期)は、基盤強化・重点分野への投資に力を入れる。

来期(2027年3月期)は持続的な収益基盤の構築を行う。

最終年度である2028年3月期を「飛躍期の元年」とし、 既存事業の伸長や、新規事業の収益化を実現する。

2028年3月期には、連結売上高160億円、営業利益12億円、営業利益率7.5%を計画している。

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