化粧品通販のスイスセルラボ・ジャパン(本社東京都、たかの友梨会長)では、たかの氏が自ら出演するQVCの番組で、ファンデーションとオールインワンジェルが驚異的な売り上げを記録したという。たかの会長に、QVCでの売れ行きと、AIを活用した次世代戦略について聞いた。
ファンデーションがヒット
──QVCでは、驚異的な売り上げを記録していると聞いた。
うなぎ上りの売り上げを記録している。特に、2024年のファンデーション部門とオールインワンジェル部門では、QVCで一番売れたブランドだという結果が出ている。
先日も1日で7万個分が売れた。2025年限定モデルの「フラワーパクト」というファンデーションだった。バニティポーチも付いている。これは本当に「褒められファンデーション」だ。
──従来の美容液入りファンデーションとは違うものか。
圧倒的なカバー力で肌をフラットに見せてくれるうえ、紫外線カット効果があり、汗や皮脂にも強い。そのため、夏でも安心して使えるファンデーションとなっている。10種類のフラワーエキスと5種の幹細胞由来成分を配合している。
──昨年はファンデーションがヒット商品だったとのことだが、今年はどの商品が注目株か。
6月28日にQVCで販売する、バージョンアップしたオールインワンジェル4個に、化粧水と日傘を付けたセット。これも非常に人気が出ることを期待している。
──御社の商品の人気が衰えない理由はどこにあるのか。
「たかの友梨」の化粧品を買ってくれるお客さまがどんどん増えていると思う。一度使って「良い」と感じて、口コミで広がっている。QVCのビューティー&コスメ部門では単価や1分あたりの売上額、そして伸び率もトップクラスに入っている。
──常に新しい成分を取り入れてリニューアルしているのに、価格は上げない理由は。
私は、お客さまに良いものをお届けしたいという気持ちが強い。たくさん売れることで安くできるというのもある。実際に、たくさん売れることによって、QVC側も時間を多めに確保してくれている。相乗効果でみんなにとって良い結果につながっている。
AIと次世代のスターたち
──最近はAIという言葉をよく耳にする。スイスセルラボ・ジャパンや、「たかの友梨ビューティクリニック」でもAIを業務に取り入れているか。
通販サイトでは、コールセンターへの負荷を減らすためにAIチャットを導入している。
それ以外には、私の友人がフィリピンでAIを使った映像制作をしている。私の映像を送ってAIで動画コンテンツを作ってもらったりもしている。非常に安価なので、私の身体的な負荷を減らすこともできる。期待して取り組んでいる。
サロンの顧客分析にもAIを活用している。サロンの売り上げデータなどをAIで分析すると、「どこの人数が多いのか」「どこの家賃が高すぎるか」などが一目で分かる。コンサルタントいらずだ。
──QVC以外の通販チャネルの展開についても聞きたい。
昨年は、インフォマーシャルなどの広告出稿を抑えて、既存のお客さまのロイヤルティー向上に努めた。それによって、利益を大幅に確保できた。
さらに、QVCではリーチできない世代のお客さまを獲得するために、「YouTubeショッピング」を始める計画もある。日本での拡大が成功すれば、世界にも展開していきたい。
──たかのさんは、著名な歌手やタレントを、まだ売れる前からCMなどで起用して育ててきた実績がある。現在気にかけている次世代のスターはいるか。
昭和歌謡を歌う「SHOW-WA(ショーワ)」というグループの起用を始めた。先日は、QVCの私の番組にも出演してもらった。当社のCMキャラクターも務めている。彼らはまだデビューしたばかりだが、性格も良いし、ヒットすると思う。
──今年の目標について教えてほしい。
2024年9月期は、QVCでの売り上げ目標としていた30億円を達成した。2025年9月期のQVC売上高としては、最終的に35億円以上を死守したい。