化粧品のオリジナルブランド「マナラ」「アールオム」「アクナル」の開発・販売を行うランクアップ(本社東京都、岩崎裕美子社長)の2024年9月期の売上高は、前期比7.4%増の137億円だった。2025年9月期も好調に推移しているという。同社は2025年6月10日、20周年を迎えた。「たった一人の悩みを解決すること」を軸に商品を開発し、成長を続ける同社の岩崎裕美子社長に話を聞いた。
──2024年9月期の業績伸長の要因は。
当社の商品開発は、「たった一人の悩みを解決すること」が軸となっている。流行りの成分や、競合の動向などを元に開発することはない。製品化までに数年かかることも珍しくない。社内モニターなどの評価が良くても、「悩み」を持つ開発者本人の納得がなければ発売しない。
たった一人に向き合うからこそ、悩みの解決にコミットできると考えている。
主力製品であるメーク落とし「ホットクレンジング」も、100回以上の試作を重ね、開発を行った。このシリーズの販売数は、累計2600万本を突破している。
2025年5月には、炭をプラスし、毛穴汚れ落ちにこだわった「マナラ ホットクレンジングゲル チャコール」を4万本限定で発売した。昨年も通販や店舗で販売したところ大人気で完売した商品だ。
その他にも、数量限定で発売した、10年連続で完売している「UVカットパウダー50+(限定2万7000個)」や、ミスト状収れん化粧水「サラサラフェイスミスト(限定5000本)」なども好評を博している。
お客さまの声を極力聞く
コールセンターやはがきなどを通して、お客さまからの声を極力聞くなど、お客さまとのコミュニケーションを重視している。
さらに、「会える通販」としての取り組みも強化している。
7年前、1000人ミートアップを行った。全国のファンに1000人に直接会いに行く企画で、北海道から九州まで、ランチ会やイベントを通じて顧客と対面する機会を設けた。
「会える通販」を掲げていたが、コロナ禍で直接会えなくなった中で、オンラインイベントなどでコミュニケーションを重ねてきた。SNSでも積極的に発信を行ってきた。
累計フォロワー約21万人
今ではSNSを運用しているスタッフは約70人で、累計フォロワー数は約21万人。それぞれが自由なテーマで発信し、リアルな声を大切にしている。
今でも直接会って、思いを伝えるということを重視する姿勢は変わらない。コロナ明けに、リアルイベントなどを再開した。
今年20周年を迎えたが、ゆくゆくは1000人規模のイベントを開催する予定だ。
──今年創業20周年を迎えた。改めて今後の展望は?
社名には、常に挑戦し、成長し続けたいという思いが込められている。挑戦を通じて、自分たちや会社、そしてお客さまと次のステージへランクアップすることを目指している。今後も社員一人一人で、「ランクアップ」の未来をつくっていきたいと考えている。
より多くのお客さまとのコミュニケーションを強化し、次の20年も、共に成長していく未来を目指していきたい。