高価格帯・中価格帯の健康食品・化粧品を展開するアクシージアでは、これまで中国EC市場を中心に拡大を続けてきた。アクシージアの2024年7月期の、日本・中国におけるEC事業の売上高は、前期比12.7%増の96億2000万円で着地した。今期も引き続き、日本EC事業が大きく拡大を続けている。中国・日本での展望について、段卓社長に話を聞いた。
引き続き中国で成長
──直近の業績について聞きたい。
2024年8月-2025年4月期(第3四半期累計)の連結売上高は、前年同期比10.6%増の100億8000万円だった。
そのうち、中国EC事業の売り上げは、64億1600万円で、全体の6割を占めている。日本EC事業は前年同期比で約7.5倍に拡大し、18億9000万円となった。日本EC事業の拡大が、全体の売り上げ成長をけん引した。
4月28日、主力製品である「AGTHEORY(エイジーセオリー)」ブランドの美容サプリメント「AGドリンク」をリニューアルしたことで、売り上げを想定以上に伸ばすことができた。今回のリニューアル発売時には、幅広くインフルエンサーを起用し、顧客との接触機会増加を強化した。ピークアウトに先んじてリニューアルを行うことで、ブランド力の持続的な向上を図る戦略を取っている。
「AGTHEORY」ブランドについては、化粧品シリーズの構成比も伸長した。2024年6月に発売したスキンケアラインが好調だった。同ラインは、中国で競合の比較的少ないニッチ分野「糖化ケア」を意識したコンセプトで設計した。
美容家電や目元ケア商品が好調
──日本EC事業の現状と展望を聞きたい。
日本売り上げには、M&Aにより子会社化したエムアンドディ(本社福岡県)のEC売り上げが連結に加わったことのほか、アクシージアのEC事業の成長も寄与した。
エムアンドディのECは、楽天市場などのECモールでの、広告プロモーションや販売力強化に取り組んでいる。
アクシージアのEC事業では、美容家電や目元ケアシートが順調に売り上げを伸ばしている。商品の魅力や、より効果的な使い方など、インフルエンサーと連携しながら発信を行っている。自社でライブ発信を行うこともある。直営店でイベントを実施し、直接手に取っていただき、購買に結び付ける取り組みも行っていく。
足元では、新規顧客の取り込み施策を引き続き強化する。日本市場向けの製品の開発にも取り組んでいきたい。
日本でもティックトック活用
中長期的には、日本において実装予定のティックトックのEC機能により、さらなる売り上げ拡大を構想していく。中国市場で培った、ティックトックのノウハウを積極的に活用する。自社ECに誘導し、サブスクモデルの導入や、会員登録促進、CRMの強化を行っていく。
──グローバルECチームを組成すると聞いた。
2025年7月期の下半期には、グローバルECチームを組成し、世界中のローカルECチームを統括する組織として運営をスタートする予定だ。
中国EC市場で培ったグローバルECノウハウを各地域で生かしながら、現地ではローカル特性に応じた運営を実現。管理を一元化し、EC売り上げの向上を図る。