フォー・レディー(本社東京都)は、化粧品通販ビジネスのトータルサポートを行っている。同社によると、新規獲得が難航することが多くなっている中、化粧品通販事業者の命運を握るのは、ペルソナマーケティングだという。同社の鯉渕登志子社長は、「自分たちのお客さまはどういう人か、深く理解する必要がある」と話す。
──化粧品通販の景況感について聞きたい。
2024年度の国内化粧品市場全体では6%を超えるほど伸びているらしいが、通販市場で見ると成長率は半分程度に落ちるようだ。
景況感については、マーケットがレッドオーシャン化しており、厳しい状況が続くのではないだろうか。
化粧品通販市場は、成長している会社と、そうでない会社が大きく分かれている。店舗との併用型やモールは伸びているようだ。
──化粧品通販事業を成長させるために、必要なこととは?
新規参入が相次ぐ化粧品業界では、マーケティングコストが悪化して、新規顧客の獲得が難航している事業者が多い。
伸び悩んでいる事業者は、「お客さま研究」が不足しているケースが多いのではないか。もっとお客さまの声を聞く」ことを徹底してほしい。
特に、そのブランドで愛用歴の長いロイヤルユーザーについて、もっと詳しく知る必要がある。「ブランドが愛用される理由」や「ロイヤルユーザーの特性」を徹底的に理解するべきだ。新規獲得においても、最初からロイヤルユーザーの属性に近い層を獲得できれば、継続してロイヤル顧客化する確率は高まる。
逆に、マス向けのプロモーションで大量の見込み客を集客しても、本来の客層と異なる場合は、すぐ離脱してしまうのでいつまでもロイヤル顧客を育成できない。
細やかなマーケティングを行い、LTVが高くなりやすいお客さまを集め、確実に育成していくCRMを設計していくことが重要である。
発想の転換を
伸び悩んでいるということは、現状の体制や環境に限界があるということだ。これまでの固定観念を打ち砕くような、新たな視点を持って、事業を変革していく必要があるのではなだろうか。
そのために一つ提案したいのが、コラボレーションだ。協業することで、他社の基準や他業界の知見から学ぶことできる。発想の転換には有効な一手だろう。
──2025年下半期の展望は。
2025年は、最も人口の多い「団塊の世代」が、70代後半となり、その子ども世代が50代に突入する年だ。マーケットにおいて顧客層の変化がさらに加速する。お客さまの変化に対応し、これまでのビジネスの変革がますます重要な1年になるだろう。