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2025.07.11

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【インタビュー】 <関西万博会場店が好調> フェリシモ O2O事業開発部部長 鈴木学氏、「”差別化”よりも”即ニーズに応える”」

鈴木学氏


フェリシモは4月13日、大阪・関西万博会場内に「felissimore(フェリシモっと)大阪・関西万博店」を開設した。オリジナルのユニークな雑貨を中心に、来場者のニーズに応える幅広い商品を展開し、連日多くの人でにぎわう。普段のメイン顧客とは異なる層の来店があったり、万博ならではの商品ニーズが強いことが特徴だという。O2O事業開発部部長・鈴木学氏に万博店での発見や今後の意気込みについて聞いた。






──出店の経緯は。

取引先から万博会場での出店を募集していると情報提供があったのが最初のきっかけだった。前回の大阪万博は55年前の開催で、なかなかないチャンス。日本から世界に発信できる機会で、海外や全国からたくさんの人が来ると考えて、挑戦することにした。

フェリシモの楽しい商品と体験を通じて、世界中のお客さまに「more=もっと」わくわくしてもらいたいというメッセージを伝える場としている。商品だけでなく、アートなども取り入れた空間作りにもこだわっている。

──出店の手応えは。

来客数が多く順調だ。フェリシモのSNSやDMで集客をしているが、万博の特性上、偶然立ち寄ってくれる人も多い。普段のフェリシモは女性のお客さまが中心だが、老若男女の幅広い層が訪れているのが大きな特徴だ。海外からのお客さまも多く、体感では1~2割程度だろう。これからさらに増えると思う。

もともとフェリシモを知って来てくれている人もたくさんいるが、全国的にはまだまだ伸びしろがあるのも事実。万博出店をきっかけに、面白くわくわくするものを作っている会社だと知ってもらいたい。


今後に生かせる”刺激”


──フェリシモとして実店舗での経験は多いが、万博ではどのような発見があったか。

最初はオリジナル雑貨ブランド「YOU+MORE!(ユーモア)」の面白い商品や、万博限定の大阪をモチーフにした商品をメインでそろえていたが、それらを残しつつ頻繁に商品を入れ替えている。

現時点(6月後半)では、お土産になるようなビンテージの着物や日本ワイン、万博会場内ですぐに使えるアウター、サンダル、雨具なども増やした。どうしたらお客さんがわくわくしてくれるか楽しんでくれるかを常に考えている。


▲店内の様子

通常の店舗と同じ部分もあるが、万博ならではのニーズがあることが分かった。期間が限られている中で、そのニーズをどれだけ取り込んで提供できるか挑戦をしている。

例えば当初は全く想定していなかったが、冷凍庫を設置してアイスキャンディーを販売したところ、よく売れている。万博の飲食店はどこも混んでいるし、すでに暑い日が多いため、実験の一つとして取り組んだ。もちろんここで販売するからには、日本らしいアイスキャンディーをそろえている。

刻々と状況が変わるため、とにかく刺激が多い。次の実店舗にも生かすことができる面白さを感じるし、出店の意味があると思っている。

──今後の展開は。

万博は他のショッピングモールや駅ナカとも違う特殊な環境だが、ここで得られた経験は貴重だ。引き続きお客さまのニーズに応えて、スピーディーに対応していく。

フェリシモは「日常のワクワクが、未来のワクワクにつながる」と信じている。商品そのものだけでなく、社会活動に貢献できたり、知識を得られるような仕かけも用意している。世界中の人が訪れる万博への出店を通して、そのような理念に共感してくれる”仲間”を増やしていけたらうれしい。

これからフェリシモが事業を拡大するうえで、男性や外国人へのアプローチも重要になってくるだろう。例えばユニセックス商品を増やしたり、関西の切り口にしたりと、新しいこともできるかもしれない。今後の商品開発やコミュニケーションなどに生かして、フェリシモの成長につないでいきたい。

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