楽天グループ 代表取締役 副社長執行役員 百野研太郎氏
楽天グループ(楽天)は7月10日、ふるさと納税へのポイント付与を禁止する総務省告示の無効を求める行政訴訟などを東京地方裁判所に提起した。百野研太郎副社長「国会の議論、法改正なく全面禁止はおかしい」と訴えた。
総務省は2024年6月28日、自治体に対して、ポイント付与を行うポータルサイトを通じてふるさと納税の寄附募集を行ってはならないとする告示改正を行った。これは実質的に、ふるさと納税のポータルサイト事業者に対して、ポイント付与を一律に全面禁止するという規制を課すものだ。
楽天は総務省が告示の理由として挙げている「ポイント付与競争の過熱」については、「付与するポイントの割合に上限を設ければ十分であり、一律に全面禁止する必要性はない」と主張している。
「本当に競争が過熱するのであれば、全面禁止ではなく、割合を作るとか、キャップをかけるとか、方法はあるはずだ」(百野副社長)と話す。
ふるさと納税制度の根拠となる地方税法が総務大臣に委任しているのは寄附の募集方法であり、国民の権利義務に制約を課すことまでは委任されていないことから、本来ポイント付与規制については、国会での議論を踏まえた地方税法の改正など法令によって定められるべきだという。国会でポイント付与規制の是非や方法、内容について議論がされず、法令による具体的根拠がないまま告示が定められたことを疑問視している。
さらに楽天はクレジットカード会社などによる決済に伴うポイント付与が認められていることを引き合いに出し、「ポータルサイトによるポイント付与も同様のはず」と見解を示し、「過剰な規制である」と断じた。
告示によるポイント付与規制は、10年以上に渡り、ふるさと納税の募集が行われてきたポータルサイトの運営方法の再構築を迫るものだという。憲法22条1項が定める営業の自由に由来するポータルサイト事業者の運営方法を過剰に規制するものだと話している。
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