ファッションブランド「NANO universe」などを展開するTSIホールディングス(HD)は7月14日、「FREAK’S STORE」などを展開するデイトナ・インターナショナルを子会社化すると発表した。事業ポートフォリオの戦略的補完と新たな顧客獲得が目的で、同社のOMOプラットフォームを活用する方針だ。
TSIHDは成長戦略として、さまざまなニーズに応えるブランドポートフォリオ戦略の推進と、新たな市場領域への進出を掲げている。デイトナ・インターナショナルがカジュアル、スポーツ、アウトドアの領域をカバーしていることから、親和性が高いと判断した。
TSIHDのOMO プラットフォームを活用することで、既存ブランドの実店舗とECサイトへの相互送客による新規顧客の獲得に加え、関連商品の販売を通じた収益機会の拡大など、複合的な成長効果が期待できるという。アクティブユーザー数約80万人の顧客基盤ができる想定だ。
デイトナ・インターナショナルの売上高は約400億円規模で、EC化率は50%以上となっている。完全子会社化によるスケールメリットを活かしたシナジー創出により、連結仕入高が30%前後スケールアップする可能性があるという。
デイトナ・インターナショナルの完全子会社化に要する資金の総額は283億円。株式譲渡実行日は9月2日を予定している。
「EC事業における具体的な取り組みについては、まだ決まっていない。デイトナはTSIのメイン顧客層よりも若い10~30代前半のファンが多く、相互補完関係を期待できる。特に普段着カジュアルやスポーツが強化され、ブランドポートフォリオを大きくアップデートできる」(財務広報IR担当者)と話した。
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