楽天グループ(楽天)は12月20日、大手スーパーマーケットチェーンである西友と、楽天西友ネットスーパーが楽天の完全子会社となることに合意したと発表した。今後は楽天が「楽天西友ネットスーパー」や、倉庫型ネットスーパー事業の運営を継続し、西友は実店舗を起点とする店舗出荷型ネットスーパー事業を単独運営する形態へ移行する。約1年間の移行期間を経て、会社名やサービス名称を変更する予定だ。
楽天と西友は2018年4月に合弁で楽天西友ネットスーパーを設立した。「楽天西友ネットスーパー」を立ち上げ、子育て世帯などをターゲットに事業を拡大してきた。現在は17都道府県で事業を展開し、西友の全国の店舗網や3カ所の物流センターから商品を出荷している。
「物流センターから出荷する形態の『楽天西友ネットスーパー』は楽天が完全子会社化する楽天西友ネットスーパーで継続して運営していく。実店舗から出荷するネットスーパー事業は西友が運営する形となる。両サービスの運営形態の今後の見通しについて現時点で言えることはないが、1年の移行期間を設けており、会社名やサービス名称を変更する予定はある」(楽天グループ・広報部)と説明する。
楽天西友ネットスーパーでは、倉庫型ネットスーパー事業をさらに強化していく方針は明らかにしている。
今後、(1)「楽天エコシステム」のさらなる活用およびネットスーパーの商圏拡大を通じた新規顧客の獲得(2)キラー商品やカテゴリーなどの顧客育成ドライバーを仕組みとして浸透させることにより、購買回数および購買金額の向上(3)品ぞろえの見直しや強化などを通じた粗利率の向上(4)採算性をベースにした物流網の再構築などを通じた配送効率の向上─に取り組む方針だという。
西友は実店舗を起点とした商圏の顧客に向けたOMOサービスに磨きをかける方針だという。
一方で今回の合意による楽天と西友の戦略的協業関係に変更はないと説明する。
楽天のポイントプログラムを軸とした顧客獲得プロモーションやデジタルマーケティング施策、実店舗に導入している「楽天ペイ」「楽天ポイントカード」などの各種キャッシュレス決済などについては、今後も協業を続けていく。