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2025.07.28

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水関連製品

【営業利益114億円の大幅増を達成】 プレミアムウォーターホールディングス 金本彰彦社長「若年層のサーバーニーズの高まり捉え」

金本彰彦氏


宅配水国内最大手のプレミアムウォーターを傘下に持つプレミアムウォーターホールディングス(PWHD)の2025年3月期の営業利益は、前期比21.7%増の114億8200万円だった。営業利益の大幅な増加の背景には、(1)天然水・浄水の新規顧客の順調な増加(2)製造・物流コストの抑制─などがあったようだ。宅配水市場では、20~30代の若い世代のニーズが高まっており、同社では、積極的に若い世代との接点を構築している。好調の背景について、PWHDの金本彰彦社長に聞いた。



乗り換えが低下

──前期の業績について知りたい。

宅配水市場は非常に好調だった。新規顧客の獲得数が伸び、解約率も改善したことで、純増数が大きく伸びた。非常に手応えを感じた。

──解約率が減った要因は。

主な要因は二つあった。まず、5年契約などの長期契約に注力したことだ。契約時には、長期プランについてしっかり説明するようにした。その結果、お客さまも長く使おうと考えて契約してくれるケースが増えた。

もう一つの要因は、競合他社への乗り換えが減少したことだった。これまでは、当社の天然水を使っているお客さまが、価格を重視して浄水型を扱う他社に乗り換えるケースもあった。

当社も浄水型サーバーの提供を開始したことから、価格を重視されるお客さまにも、当社の浄水型を提案できるようになった。結果として、乗り換えによる解約が減少した。

商業施設でのデモンストレーション販売で、他社のウォーターサーバーを提案している代理店が、「ナンバーワンのプレミアムウォーターを売りたい」と言ってくれる流れになってきている。


新規獲得が好調


──新規獲得の主なチャネルは?

デモンストレーションやテレマーケティングの販売も引き続き順調だ。

音楽イベントへの出展も積極的に行っている。暑い時期のイベントでは、水へのニーズが非常に高いため、新規獲得にもつながる。

熱中症の予防や対策にも貢献するということで、非常に好評だ。

水宅配サービスのOEM事業では、東京ガスが当社のウォーターサーバーと宅配水を採用している。顧客の獲得も、非常に順調だ。この成功事例を見た、他の大手企業が、ウォーターサーバー事業に関心を持つケースも少なくない。

そのほかでは、KABU&(カブアンド)との取り組みも非常に順調だ。水という商材は、しっかりとした顧客基盤を持つ企業との相性が良いのだろう。

──ウェブからの顧客獲得は順調か?

ウェブからの獲得も非常に順調に伸びている。当社が、宅配水市場で「ナンバーワンである」という認知が高まったことにより、今までウォーターサーバーを使っていなかった層からの申し込みも増えている。

特に、社会的な背景として、衛生面への意識の高まりや、水の備蓄に対する関心の高まりも追い風になっている。


Z世代への広がりも


──Z世代は、ウォーターサーバーのことを、「三種の神器」のように「不可欠なもの」と捉えているとの報道があり、話題となった。このことについてどのように感じているか。

私も驚いた。「Wi―Fi」「ウォーターサーバー」「宅配ボックス」の三つを、20代前半から30代前半の若年層は、「不可欠なもの」と捉えているということだった。この三つを「2WD(ツーダブリューディー)」と呼んでいた。実際に、この世代におけるウォーターサーバーの所有率は、45%にも上るとのデータもある。

デモンストレーションやテレマーケティングの販売の現場でも、20代前半から30代前半くらいの若年層の契約が実際に増えている。この年代での顧客はまだまだ開拓の余地があると考えている。

現在のウォーターサーバー市場全体の普及率は9%程度だが、今後、Z世代が大人になり家庭を持つことを考えると、さらに高まっていく可能性が高いと見ている。

──今後、新たな顧客層へのアプローチを行うことは考えているか。

これまで当社の顧客は個人が多かったが、今後は法人向けにも力を入れていく。法人市場は価格面で判断されることが多いが、価格競争力のある浄水型サーバーを含めて展開していけば、戦っていけると考えている。


ボトルの小サイズ化も


──新しいウォーターサーバーの開発状況は?

当社ではこれまで、天然水サーバー2機種などの開発を進めてきた。この2機種に加え、小型の浄水型サーバーや、「常温」や「さゆ」の温度帯が出せるサーバーなどをリリースし、ラインアップを拡充した。

──特に人気のサーバーは?

「AURA(オーラ)」と「famfit2(ファムフィットツー)」が非常に好評だ。2機種とも、ボトルをサーバー下部に設置できるタイプとなっている。お客さまからは、「ボトルが重いので下置きにしてほしい」というご要望を以前からいただいていた。

下置きタイプは一般的に、水漏れのリスクが比較的高いとされる。そうしたリスクを軽減するため、ボトルのキャップ口が上を向く構造にするなど、工夫している。お客さまの声を反映して開発には時間をかけた。

──今後、どのような機能を持つサーバーを開発していきたいか?

現在は12リットルの水ボトルが主流だが、高齢化が進む中で、より小型で持ち運びしやすいボトルのニーズが高まる可能性があるとみている。

そうしたニーズも考慮して開発を進めている。サーバーにどのような機能があればお客さまに喜んでいただけるかを検討し、開発につなげていきたい。

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