美容製品や化粧品、健康食品などをネットワークビジネスで展開するDAIYAMONDLIFE(ダイヤモンドライフ、本社福岡県、近藤秀仁社長)の2025年5月期の売上高が前期比21.2%増の48億300万円と躍進した。会員は当期に約6000人増え5万5000人にまで拡大した。当期はプレゼント企画やプロダクトセミナー、チャレンジザタイトルなどの施策が奏功したという。連続増収を続ける同社だが、近藤社長は「業績は好調だが、売り上げを追わずに会員の増加とフィールドを常に考える経営の姿勢は変わらない」と話す。
──前期を振り返ってどうだったか。
プレゼント企画の効果は大きい。今年から3カ月ごとに行っていた同企画を2カ月に1回に増やした。
一方、企画にルールを設けて定期的に製品を購入しているオートシップ会員のみを対象とした。プレゼントのニーズは高く、オートシップを契約する会員が増えて定着率も向上する成果につながった。
企画が奏功したのは、約2年前から行っているプロダクトセミナーによる取り組みが大きい。
当社の会員は製品愛用者が80%、ビジネス志向者20%という割合であることも大きな特徴の一つだ。プロダクトセミナーを楽しみしている会員が多く、セミナーの参加者は300~400人の規模になった。
これらの取り組みが会員一人一人のスキル向上にもつながっているため、流通や会員数の増加にもひも付いている。
創業時からことあるごとに伝え続けている「当たり前に仕事をする」という企業文化の浸透がより加速している。今もリーダー陣が毎月50人の直紹介を目指して日々愚直に取り組んでいる。
──売れ筋商品に変化はあるか。
プロダクトセミナーを行っているので、全ての製品がまんべんなく売れている。
流通が伸びることはありがたいことだが、同時に購入チェックも入念に実施している。買い込みさせないことを徹底している。
ただ、最近は「全部使いたい」という声が増えているので、確認事項や購入数の基準を一部変更して対応している。今年3月に発売した「シールドキャンディー」は流通が劇的に伸び続けているため、一人5個までの購入制限を設けている。
前期を上回る勢いで今期も進んでおり、私自身も未知の領域に踏み込んだ感がある。一方でワクワクする高揚感もある。
──プロモーション施策の影響もゼロではないと思うが。
チャンレンジザタイトルという、特定の期間にタイトルアップをするとボーナスが支給される仕組みがこれまで以上に加速した。リーダー陣のみならず、会員一人一人がタイトルアップを目指して活動に取り組んでいる。
近年は、ネットワークビジネス未経験者をはじめ、人生経験、人柄などそれぞれ異なる会員がタイトルアップしているため、これは非常に良い傾向だとみている。
──今期の取り組みには注目が集まる。
5月末で無事に決算が締まり、前期も大きく増収で着地することができた。
期初から好調なスタートを切ることができた。今年6月度の売り上げは過去最高を記録し、7月度も同様となりそうだ。プロモーションなどによる局所的な伸びだったり、ある単月のみ売り上げが大きく伸びるのではなく、月間の流通のベースが着実にアップしてコンスタントに伸びている状況だ。
今年は過去の事例が参考にならない動向が見受けられる。会社がどのような方向性を持って事業を拡大していくかが鍵を握る。最も重要なのは、現場をしっかりと見ていくこと。フィールドの状況をしっかり見ながら対応していく。
ネットワークビジネスを一般の企業や事業と変わらない事業体系、組織にして、会員一人一人のスキルを磨いていくと創業時から何度も伝えている。
昨今、トップリーダーたちが率先して「商売」を体現しようとしている。自分たちでスタンプカードを作りプレゼントを渡すなど、会社任せにせず、自らが商人になろうとしている。これは大変良い傾向だと思っている。お金の流れなど経営に関わることを教えていることもある。
今の会社の動向には、非常にワクワクしている。一方、組織の拡大と同時に、社内の役目や役割、業務効率なども改めて調整が必要となりつつある。諸々含めて今期も例年と変わらず愚直に取り組んでいく。