インターネット回線やモバイルサービス、エナジー・サービスなどを手掛けるJESライタス(本社東京都、ワーグナー・ステフェン・アンソニー社長)は2025年5月にグランドオープンした。2025年5月度の売上高は、事業を継承して以来、JESライタスの過去最高の売り上げを達成するなど、好調な滑り出しを見せている。モバイルサービスを強化しているというワーグナー・ステフェン・アンソニー社長に、グランドオープン後の状況や2025年12月期の事業計画について聞いた。
──2024年12月期の業績については。
2024年1月にACN米国本社が北米事業に専念するため、海外事業から撤退したため、ACNジャパンに関する事業全てを当社が継承し、2024年6月7日に会社を設立した。事業承継後は、当初予想していたほどの混乱もなく、順調なスタートを切れている。
業績数値を明らかにすることはできないが、2024年11月に大阪で開催したイベントには約500人の会員が集まった。
イベント開催でフィールドのモチベーションが向上したことに加えて、新規会員登録の費用(5万1700円)を3万250円に引き下げたこともあり、イベント直後の11月・12月の新規登録者数は非常に好調だった。登録費の引き下げはACN時代には一度もなかったため、ビジネスへの参入障壁を低くした点で大きな影響があった。
──ACNから会員が順調に移行できた背景については。
移行期に一部の会員が離脱したが、多くは引き続き会員として活動をしてくれている。移行期にコミッションを一度も滞ることはなかったし、会員が利用できるウェブページが継続できていた。会社への信頼につながり会員として定着した理由と考えている。
──今年5月のグランドオープン後の状況については。
グランドオープンによる発表の成果もあり、5月度の売り上げは事業を継承して以来、JESライタスの過去最高となった。会員へ支払ったコミッションも最も多かった。2024年8~12月と2025年1~5月の5カ月間を比較すると、売り上げは21%増加している。
新規会員が急激に伸びているわけではないが、会員一人が受け取るコミッションが増加している。例えば2024年11・12月に新規登録した会員の中で、コミッションを受け取った会員は全体の50%だが、2025年4・5月に新規登録した会員では全体の9割がコミッションを得ている。リクルートボーナスを打ち出したことで会員が得られるコミッションが結果的に増えた。
──戦略的に会員が得られるコミッションを増やしたのか。
新規登録を増やすという狙いもあるが、登録してから1~2カ月でコミッションを得られる成功体験をしてもらうことを目指していた。
JESライタスを始めたときに、会員とウィンウィンの関係にしたいと考えてプランを構築した。新たに開始した「セールスパートナー」というスマホやPC、タブレット端末の保障サービスは安価なので、顧客との接点を持つため大きな武器になっている。
──ライフラインを取り扱う競合他社は多い。差別化策を教えてほしい。
会員自身で組織を築き、コミッションを得られるネットワークビジネス(NB)である点だ。 ライフラインサービスは継続的に必要とされるため、製品ベースのNBと比較して継続収入が安定している点が大きな違いだ。
──会員向けのトレーニングに力を入れている。
当社にサービスを提供する企業による個別のサービストレーニングに加えて、外部講師を招いて、オンラインで会員向けのプレゼントレーニングを始めている。外部講師を招いてのパブリックスピーキングトレーニングは、社内の階層に関わらず全ての会員がニュートラルな立場で耳を傾けられるため効果的だ。
──2025年12月期の事業の方向性については。
具体的な業績目標は公表できないが、前期の売上高よりも21%増を計画している。現在のトレンドを維持し、11月9日に「飛翔」というイベントを予定しており、さらに向上させたい。
基幹システムの刷新も予定しており、会員のビジネス活動に大きく貢献できるものと考えている。
当社は、「すべての人が夢を実現できるビジネスの機会を提供する」というミッションを掲げている。愛用者(ユーザー)を増やす基礎に焦点を当てつつ、組織を広げていきたい。