体型補正下着をメイン商材にネットワークビジネス(NB)を展開するグラント・イーワンズ(本社福井県、稲井田章治社長)は、2025年9月期の売上高は、前年並みの着地となりそうであることを明らかにした。複数の大型の新製品の発売時期がずれたことが、思うように伸びなかった主な要因だという。2026年9月期は、複数の大型商品が売り上げを大きく押し上げるとみられる。今年9月には、20周年記念イベントの開催も予定しており、組織の拡大に拍車がかかりそうだ。「26年9月期は下代で200億円の達成を目指す」と意気込む稲井田社長に話を聞いた。
──2025年9月期の業績見通しについて聞きたい。
2024年9月期は下代の売上高152億円で、上代の売上高は190億円だった。2025年9月期の売上高も、前年並みでの着地となりそうだ。
──2025年9月期の売上高が前年並みにとどまった要因は。
増収とならなかった要因としては、大型の新商品の供給遅れがあったと考えている。シャワーヘッド「ザ・ボディスタイリング」(税込5万2800円)を当初、昨年末に発売する予定だったが、実際にはようやく2025年6月になって供給を開始することができた。
ウィッグも、4~5月の発売を予定していたが、実際の発売は8月になる見通しだ。美顔器「テラミースプラッシュパルス2700」(税込18万4800円)の発売も遅れ、6月となった。
こうした新商品が一気に日の目を見る2026年9月期は、大きく売り上げを伸ばせるのではないかと期待している。
──ここ数年で、取り扱うアイテムのジャンルの幅が広がった印象があるが。
2024年に掛布団タイプの家庭用電位治療器「プラザード スリーピング電位掛け布団」(税込22万円)を発売するなど、新商品の開発を積極的に行ってきた。電位治療器の販売台数は1万台を突破し、現在も着実に売れている。美顔器の販売台数も1万台を突破した。数ある商品の中でも特に人気なのが、以前から販売している連続生成型電解水素水整水器「グラント還元水Puravia(プラビア)」(税込23万6500円)だ。男性中心の北海道の、あるチームでは、「プラビア」1本で組織を拡大しているケースもある。
当社の場合、下着を主力とする会社ではあるものの、どの商品を扱っても構わないことにしている。主力である下着を扱うことなく、美顔器1本で組織を拡大させても何の問題もない。
「リーフ会」立ち上げ/12~13社が参加
──グラント・イーワンズに製品を納めるメーカーの団体ができたと聞くが。
当社の取引先メーカーが参加する、「リーフ会」という団体を6月に立ち上げた。それぞれのメーカーに、自主的に参加してもらっており、現在は12~13社が参加している。
──「リーフ会」を立ち上げた狙いは。
商品の納品遅れが複数生じたことに対応するのが主な狙いだ。取引先の複数のメーカー間で情報交換をしてもらい、商品のスムーズな供給についてノウハウを共有してもらいたいと考えた。当社の取引先のメーカーは、製造するものがそれぞれ異なるケースが多い。取り扱い商材が異なれば、情報交換もしやすいだろうと考えた。
もともと、当社は企業理念として「一蓮托生」を掲げている。代理店もメーカーも、一蓮托生の一部だ。
当社と取引のあるメーカーとともに、さらなる高みを目指していきたいと考えている。
──2005年の創業からそろそろ20周年を迎えるが。
今年9月に20周年のイベントを、大阪で開催する予定だ。2000人規模の来場を見込んでいる。10周年のときは、下着のファッションショーを併せて開催したが、今回はファッションショーを行わない予定だ。20周年は、式典・パーティーを中心に、開催しようと考え、現在企画を行っている。
海外展開も推進/金融事業開始へ
──今後の展望についても聞きたい。
8月20日には、待望のウィッグが発売を迎える。2026年9月期は、このウィッグの事業を育てていかないといけないと考えている。
一方で海外展開も推進していく予定だ。カード決済会社を子会社化して、金融事業に乗り出したいという希望も持っている。
金融事業の開始に向けた一定のかたちを、年内につくりたいと考えている。
──銀座で美容医療事業にも乗り出していたが進捗は。
2024年10月に、東京都内の銀座で、美容皮膚科「グラントビューティクリニック銀座院」を開業した。通常の美容クリニックのメニューを一通り提供できる。1回20万円のエクソソーム点滴なども行える。それだけでなく、医療の最先端といえる再生医療の提供も行うのが特徴だ。すでに再生医療の資格も取得している。
その人の細胞を採取し、培養し、その人に戻す再生医療を1回280万円で提供する。
再生医療は海外からも注目されており、今後さらにニーズが拡大しそうだ。
──2026年9月期業績の目標についても聞きたい。
2026年9月期は、下代の売上高として200億円を目指したいと考えている。複数の大型新商品の発売など、成長に向けた諸条件が整うことから、不可能な数字ではないと考えている。