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2025.08.11

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【インタビュー】サニックス 代表取締役社長 稲田剛士氏、「東日本エリアを開拓し全国区へ」

稲田剛士氏


白アリ駆除や太陽光発電などを販売するサニックス(本社福岡県、稲田剛士社長)は、西日本エリアでの拡販と並行して東日本エリアの開拓を進めていく。今後、3~5年で全国展開を目指す。同社は今年4月にHD(ホールディングス)体制へと移行した。稲田剛士氏が新たにサニックスホールディングスの子会社となったサニックスの代表取締役社長に就任し今後の成長の指揮を執る。




日々代表の気持ちで


──改めて代表就任の心境は。

HD体制移行前のサニックスでは副社長を務めた。祖業である住環境領域について代表の感覚を持って事業運営していた。

体制が変わっても現在のサニックスは変わらず祖業を運営する会社であり、これまでの長い歴史を引き継いで今があるという責任の重大さを感じている。

私事だが、19歳でサニックスに入社して以来、現場での積み重ねを経て今年で27年目を迎える。現場上がりというキャリアを踏まえると、身の引き締まる思いだ。


──社長就任から間もないが、業績の振り返りを聞きたい。

年間5%を上回るペースで営業利益を拡大させている。中でも、新規での売り上げ獲得に注力している。新規獲得は10~15%で伸びている状況なので、引き続き継続的に新規顧客の開拓に努めていく。並行して、生産性や効率性の向上を図ることで利益率アップも目指す。


──住設領域は競争が激しい。成長戦略は。

同業者は多くいるが、意識はしていない。当社の強みは地域密着型の戦略と顧客基盤を有している点と強い営業力にある。これらを生かした戦略が鍵を握る。

当社は白アリ防除の事業をメインとし、リフォームや太陽光発電、マンションの設備保全などを手掛ける住宅メンテナンスを生業としている。これまでは西日本エリアでの事業活動がメインだったが、今後は東日本エリアでも攻勢も図っていく。

関東では、もともと法人向け事業は展開していたが、訪問販売についても営業人員体制を整え、現在は6拠点で活動している。

関東に進出したことでさまざまな住宅関係者と情報交換する機会も増えた。その中で、各エリアによって住宅や暮らしに関する困りごとが多様であることが見えてきた。異常気象の影響か、北海道でも白アリ防除の相談が増えていたり、状況は変わってきている。

西日本同様に、東日本でも面を取りに行くことから始める。3~4年の歳月を使って、全国区の企業にしていきながら、事業を拡大させていく。

売り上げに直結することだけを追う営業ではなく、まずは顧客数を伸ばして、将来の収益につなげる取り組みをしたい。


積極的なリファラル採用


──人材確保が難しい時代だが、御社ではどうしているのか。
 
人材獲得の難しさは日本全体の話で、業界に限った話ではない。30年先を考えた時、今よりもさらに状況がひどくなっている可能性もある。

当社としては、シニア世代に着目し、採用を積極的に行っている。

営業が全てではなく、工事スタッフも会社の顔となるため、シニア人材の活用はいろいろなところに展開できると考えている。

現在、採用は新卒と中途双方で行っている。中途は常時募集しているが、消費者と対面する仕事だからこそ、量だけでなく質を重視した採用基準と、その後の教育が重要だと思っている。

採用方法は多様化しており、紙やウェブの求人媒体やハローワークなども活用している。直近はリファラル採用に力を入れている。


DX推進で強固な体制に


──今後の取り組みは。

AI活用も含みDXを推進していくつもりだ。デジタルに任せる部分と人にしかできないことを分けて、収益力を高めていく。

DXを進めつつ、改めて住まい、暮らしの困りごとを解決、手助けすることに集中していく。現状は白アリ防除やリフォーム、太陽光発電が当社のサービスメニューだが、新たな形でお困りごとを解決するプランをサービス化することも検討している。

当社には、多くの拠点と人材を有するインフラがあり、迅速に対応できる体制がある。これらを生かして、個人宅のみならず、法人や自治体との連携も強めていくつもりだ。

新たなサービス化はこれまでと全く異なる分野で行うことも視野に入れている。

ただ、本業が柱であることに変わりはない。安定した成長と収益力があってこそ新しい挑戦ができる。現業をさらに強固なものにして、改めて東日本エリアで攻勢を図る。そのうえで、当社を全国区の企業に成長させていく。

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