テレビショッピング番組「Shop Japan(ショップジャパン)」を放送するオークローンマーケティング(本社愛知県、ロバート・W・ローチ会長兼社長)の業績が復調している。2025年3月期の売上高は、前期比17%増の424億1900万円だった。要因について、浅野茂樹マーケティング本部執行役員は「複数の新商品が増収に寄与した」と話す。浅野マーケティング本部執行役員に前期の振り返りと新商品販売の状況、今後の注力点などを聞いた。
──2025年3月期の売上高は前期と比較して増収だったと思う。要因は。
新商品の効果が大きかった。コードレスハンディークリーナーの「インビクタスワン」、豆乳メーカーの「ソイリッチ」、内転筋を鍛えることができるフィットネスマシンの「マイキュット」などの販売が好調で、テレビでのレスポンスが非常に良かった。
新商品を発売して、テレビでの反応が良いことで、販路として新たに小売店への卸売りが決まり、さらに商品の認知度が拡大する。実際に小売店での販売も好調で、良い流れを作ることができた1年だった。
──他社だと物価高騰やインフレなどの影響で消費者の購買力が下がり、売上高の減収につながった企業もいる。その中で増収を維持できた要因は。
節約志向のお客さまが多かったことは事実だ。当社では物価高騰の影響を逆手に取り、商品によっては節約できることを訴求して、購入につなげた。
例えば、卓上クーラーの「ここひえ」では、(1)1カ月間使用していても電気代はわずか約93円で済むこと(2)エアコンの電気代のわずか4%しかかからないこと─などを番組内で訴求している。昨年1年間における「ここひえ」の販売は好調で、今年もここまでを振り返るとよく売れている状況だ。
さらに今年は部屋全体を冷やすことができる「ここひえタワー」を販売しており、こちらもよく売れている。昨今、異常な暑さとなっている北海道や東北地方の人からの購入が続いている。
──主力ブランドの寝具「トゥルースリーパー」の状況はどうか。
まさに当社が今後最も力を入れていかなくてはいけないブランドになっている。会社のグループインタビューなどを実施していく中で、40~50代の人も「トゥルースリーパー」は知ってくれている。だが、決まって「母が持っている」「父が使用している」などの声が寄せられ、実際に40~50代の人が使用しているケースはそこまで高くない。
結果として、その年代の人は寝具を購入するときは「トゥルースリーパー」ではない別ブランドを選択しており、このままでは「トゥルースリーパー」の未来は厳しい。そこで、今期は「トゥルースリーパー」を単なる「寝具」ブランドから、人々の生活に寄り添う「睡眠」ブランドへとリブランディングする。
──具体的なリブランディング方法は。
まず市場としても伸びているベッドマットレスタイプの新商品を発売する。そして、プロモーションも大きく変更する。これまで「トゥルースリーパー」では「睡眠時、腰が痛くなりにくい」や「起床時の倦怠感が起きにくい」などの訴求を行ってきたが、この訴求はご年配の人には刺さるが、若い人には刺さりにくい。
そこで、新たに「日中のパフォーマンスを上げるためのリカバリー方法」としての訴求を行い、若い人に「トゥルースリーパー」の認知を広げていきたい。マーケティングに関しては、パートナー企業と連携して、ブランドの再ローンチを仕掛けていく。
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