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2025.08.09

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【通販売上高ランキング 第57位】新日本製薬 後藤孝洋社長、「育成ブランド拡大に成功」

後藤孝洋氏


新日本製薬の2024年9月期の通販売上高は、前期比6.5%増の363億6100万円だった。今期の通販事業も引き続き好調で、中間期(2024年10月-2025年3月期)の売上高は、前年同期比3.9%増の184億5700万円となった。通販事業の成長戦略や、新たな中期経営計画(以下中計)について、後藤孝洋社長に聞いた。


──2024年9月期は、前の中計の最終年度だったが。
 
前期(2024年9月期)は、前の中計の最終年度だった。
 
前中計における重要な課題は、従来売り上げの約9割を占めていた化粧品ブランド「パーフェクトワン」に続くブランドを育成することだった。
 
現在では、育成ブランドの拡大に成功。若者をターゲットとしたスキンケアブランド「PERFECT ONE FOCUS(パーフェクトワンフォーカス)」や、ヘルスケアブランド「Fun and Health(ファンアンドヘルス)」は、計画を大幅に上回る成長を遂げた。売り上げ比率は20%を超えた。現在も大きく伸び続けている。
 
育成ブランドを伸ばす一方で、「パーフェクトワン」ブランドも、デジタルマーケティングの強化により、さらなる拡大を遂げることができた。


EC売上30%成長


──EC売上高が高い成長率を維持できているということだが。
 
以前からEC事業の拡大に着手してきた。2024年9月期の国内外EC売上高は、前期比30.7%増の83億3700万円だった。今期の中間期も前年同期比18.7%増となった。2025年9月期の通期の国内外EC売上高は、100億円の大台に到達すると見込んでいる。
 
育成ブランドでは、SNSを中心に戦略的に話題作りを行った。その結果、従来のターゲット層とは異なる、より若い世代を獲得することができた。
 
当社では、4年ほど前に「スタートアップ課」を立ち上げた。この課では、新しい商品やビジネスモデルを作り出すなど、積極的なチャレンジを行っている。そこで蓄積したナレッジを、他ブランドに横展開することが、高い成長率の実現につながっている。
 
例えば、「パーフェクトワンフォーカス」は、ローンチ後4年で40億円規模の売り上げにまで育成することができた。


機能性表示食品が躍進


──御社で今期最も伸びている商品は?
 
「ファンアンドヘルス」ブランドの商品で、(1)「Wの健康青汁」(2)「スリモアコーヒー」─という機能性表示食品の売り上げが拡大している
 
「Wの健康青汁」は、定期顧客の継続率が高く、増収をけん引してくれている。
 
「スリモアコーヒー」は、今期中間期の売り上げが前年同期比で43.0%増となるなど急成長を遂げている。顧客属性に応じたチャネル別マーケティングを強化した結果、新規顧客の獲得に成功した。
 
これらの商品は、自社ECからの購入が多く、ECチャネルで言うと、自社ECが最も伸びている。
 
ECの売上比率は、コロナ前は15%ほどだった。全社売上高が拡大する中で、EC構成比は今期中間期時点で約20%に拡大した。
 
──新中期経営計画「Growth Next(グロウスネクスト) 2027」について聞きたい。
 
3カ年の中計で、最終年度である2027年9月期までに、売上高520億円、営業利益60億円、営業利益率11.5%の達成を目指している。
 
全社戦略として掲げている、「市場のトレンド×VOC(ボイスオブカスタマー)×独自価値」の商品開発を、加速させていく。「パーフェクトワン」ブランドのグローバルでの競争力強化や、次なる育成ブランドへの成長投資にもさらに力を入れる。
 
当社のパーパスは「美と健康の『新しい』で、笑顔あふれる毎日をつくる。」だ。このパーパスを実現するべく、100年繁栄し続ける企業となるための基盤固めを行っていきたい。

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