ハルメクホールディングスの2025年3月期のハルメク事業の売上高は、前期比11.3%増の267億5000万円だった。主にカタログ通販、新聞広告の出稿、店舗出店が、増収に寄与したという。物販ビジネスユニットカテゴリーマネジメント本部副本部長の川瀬卓氏に前期の振り返りと課題、今後の展望などについて聞いた。
──前期は好調だったと思う。振り返ってほしい。
主に(1)カタログ通販(2)新聞広告(3)店舗展開─が奏功し、ハルメク物販の成長をけん引することができた。だが、それぞれを細かく見ていくと、店舗と新聞広告は好調だったが、カタログの売り上げは成長率が鈍化傾向にある。カタログの成長率の鈍化分を新聞広告と店舗出店による売り上げで補っている状況となっている。
──新聞広告はどのような戦略を掲げているのか。
前期は継続して新聞広告の出稿量を増やした。地方紙、全国紙問わず、反応が良い媒体には精力的に新聞広告を出稿し、商品の認知拡大を図った。ただ、限界も来ていると思っている。現在、かなりの量を出稿しており、今後、さらに新聞広告で売り上げを伸ばせる余地はそこまで大きくないとみている。
──前期は店舗の新規出店も増やしたと思う。現在の状況は。
コロナ禍が明けて、多くの人が外で買い物したり、食事したりするのが当たり前になっている。そのことも相まって、当社では2025年3月末時点で11都道府県に18店舗出店している。全国の人口が多くいる都市を中心に出店している。
──店舗には新規顧客が多く来ているのか、それとも既存顧客の来店が多いのか。
どちらもいると思っている。既存のお客さまでカタログが手元に来て、商品が気になって、来店する人もいる。
一方で、新聞広告を見て、「この商品気になる」「このような店舗があるのか」と知ってもらって、店舗に訪れる人も多い。出店している百貨店と連携し、販促を展開してくれたり、チラシを配布してくれたり、当社の紙面で店舗を開設するニュースを発信して、来店につなげている。
──今後の成長戦略は。
主に三つの柱を考えている。まずはカテゴリーの選択と集中を意識し、お客さまから高い支持を集めている「インナー」「コスメ」において、それぞれ 100 億円の規模にまで拡大することを目指していく。
二つ目は「顧客数」から「顧客単価」を重視していく。ただ単に値上げを行うのではなく、お客さまの深い悩みを捉えた高付加価値な商品を開発していく。
三つ目は「LTV」の最大化に向けたCRMの深化だ。これまで購入ステージに応じた細やかな顧客対応が不足気味だった。そこで、今後はお客さまが離脱しやすい2~3回目の購入タイミングで自社のコールセンターからのアウトバウンドの電話や、よりパーソナライズした顧客対応を導入していきたい。
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