CLOSE
CLOSE

2025.08.09

特集

テーマ特集

【通販売上高ランキング 第90位】エレコム 通販営業部部長 早崎良氏「カテゴリーと価格帯に幅を」

早崎良氏


PC周辺機器などを販売するエレコムの2025年3月期のEC売上高は、前期比13.5%増の211億900万円だった。2024年3月期に続き、2年連続での2桁増収となった。同社では近年、キッチン用品やペット用品など、取り扱い商品のカテゴリーの幅を拡大している。2025年には、高価格帯のワイヤレスイヤホンを発売するなど、価格帯にも幅を設け、新規顧客の獲得にも注力しているという。2025年3月期の売れ行きの変化や、今後の展開について、通販営業部部長の早崎良氏に話を聞いた。


──近年の商品の売れ筋について聞きたい。
 
主力カテゴリーのPC周辺機器では、変わらずモバイルバッテリーや充電器が人気だ。その中で、購入単価が上がってきている点が最近の特徴となっている。
 
モバイルバッテリーでは、多少価格が高くても、容量が大きく、小型のものが人気となっている。近年は、ユーザーが「充電したい」と思う商品の幅も広がっている。スマートフォンはもちろん、PCやワイヤレスイヤホン、小型扇風機などを、充電したいと考えるユーザーも増えている。そのため、大容量で多くのアイテムを充電できる商品が人気となっているようだ。
 
充電器も同様で、まとめて複数の商品が充電でき、かつ小型の商品が人気となっている。
 
最近だと、小型のエアダスターがよく売れた。コードレスで手軽に掃除ができる機器だ。今後は法人需要も踏まえ、業務用のエアダスターを発売することも視野に入れている。
 
2025年に発売した、ナトリウムイオンのモバイルバッテリーの売れ行きも好調だ。ナトリウムイオンは、リチウムイオンに比べ、寿命が長く、発火のリスクも少ない。
 
今年の夏も、「モバイルバッテリーが発火した」という報道が多かったように感じる。こうした報道のあとに、アクセスが増えることも多い。
 
──商品カテゴリーを拡大しているとのことだが。
 
当社のイメージといえば、「モバイルバッテリーや充電器、PC周りの機器を販売している会社」と考える人が多いだろう。だが近年は、それ以外のカテゴリーの商品を拡充している。
 
ここ数年では、一人用の調理家電や、ペット用家電を発売した。美容家電やヘルスケアの商品も増えている。
 
通常の白物家電については、グループ会社のテスコム電機が販売している。当社ではこれまで、白物家電はほとんど取り扱いがなかった。だがテスコム電機の商品が増えたことにより、白物にも黒物にも対応できるようになった。
 
意外なところでは、電動ドライバーなども販売している。今後は、電動ではない通常のドライバーなど、工具の分野も深堀りしていけたらと思っている。
 
──自社ECに注力しているとのことだが。
 
エレコムといえば、卸の会社と考えている人も少なくない。
 
当社の商品を、他社のECサイトや家電量販店で買ったという人も多いだろう。逆に、当社のECサイトで購入したという人は、まだまだ少ないのが現状だ。
 
当社としては、今後D2Cでの販売も強化していきたいと考えている。ポイント制度を含め、細かいものまで合わせると、2025年中に30以上のサービスを、自社ECサイトで開始する予定だ。
 
今後は自社ECサイト限定の商品も展開していきたいと考えている。
 
モバイルバッテリーや充電器など、当社の主力商品は、比較的買い替えが起こりやすい商品だ。より使いやすいものが出れば、買い替えるという人も多いだろう。
 
「商品のサイズ感」「充電できる対象の幅」「差込口の数」など、細かい部分で、「今、何が求められているのか」を把握しながら、世の中との共感性を高めていきたい。

無料メールマガジン登録 人気の記事や編集部のおすすめ記事を配信
登録することで、個人情報保護方針に同意したものとみなされます。

タグ:

おすすめの記事

PICK UP


人気の記事

RANKING

新聞のご紹介

日本流通産業新聞

詳細・購読はこちら