売上高1位のアマゾンについては、2024年12月期における日本事業の売上高は、前期比5.4%増の4兆1375億5100万円だった。2023年12月期におけるアマゾンの増収率は13.9%だった。増収率こそ下がったものの、引き続き増収を維持した。
2位のアスクルは、2024年5月期のeコマース事業の売上高が、前期比5.8%増の4623億円となった。主力商品の一部の価格改定による購入単価の上昇により、中小企業向け、中堅・大企業向けとも売上高は増加した。
3位のMonotaRO(モノタロウ)は、2024年12月期の売上高が前期比13.3%成長となった。大企業向けの購買管理システム経由による売上高は同27.9%増の860億8300万円だったという。防災カテゴリーが伸びたほか、休眠顧客の掘り起こしも進んだという。
50社中2桁増収は3社
売上高上位50社のうち、2桁増収した企業はMonotaRO(モノタロウ)、トラスコ中山、オークローンマーケティングの3社だった。
オークローンマーケティングは、2025年3月期の売上高が、前期比17.0%増と大きく伸長した。

100%超の成長率も
560社のうち、最も増収率の高かった企業がAiロボティクスだった。2025年3月期におけるAiロボティクスの売上高は、前期比101.2%増の142億600万円となった。
プロテインを扱うREYS(レイズ)は、本紙推定ながら、前期比200%増と、大幅な増収を記録した。同社は、チャンネル登録者数108万人超の筋トレユーチューバー・山澤礼明(やまさわひろあき)がプロデュースするプロテインブランド「REYS」を展開しており、好調に推移しているようだ。
海外市場で伸長
越境EC市場が拡大しており、参入企業の拡大も相次いでいる。
中古車の越境ECを手がけるビィ・フォアードの2024年6月期の売上高は、前期比8.9%増の1180億8322万円だった。
化粧品ECのアクシージアも海外で成長を実現し、2024年7月期は12.7%増と2桁増収を遂げた。中国市場向けのECが売り上げの7割を占めているが、日本事業も伸長しているという。
コーセーの2024年12月期の同社の日本・海外を含めた全体のEC売上高は512億円だった。海外では、「北米他」の海外EC売上高が伸長しており、前期比64.6%増の214億円となった。
北米・東南アジア・台湾など、中国以外のエリアへの進出も進んでいる。今後、日本国内での人口減が進むと予測される中、海外市場には引き続き大きな商機が眠っていそうだ。
<調査方法・表の見方>
◇「通信販売・通信教育売上高ランキング〈夏季〉」は、通販・通教・EC事業者を対象に、前期の売上高実績を調査した。
2025年7月、通販事業者に調査票を送付、回収。ランキングは取材データや資料なども加えて作成した。グループ紙の「日本ネット経済新聞」と共同で調査した。
◇カタログ・ダイレクトメール・新聞折り込みチラシ・新聞広告などの紙媒体、EC(パソコン・スマートフォン・携帯電話)、テレビ、ラジオなどの放送メディアを使った一般消費者向け通販(通信教育含む)と、法人向け(BtoB)通販の売上高をランキング化した。
◇調査対象は2024年4月から2025年3月の間に決算期を迎えた売上高。通販専業企業は全社売上高、通販以外の事業も行う兼業企業は通販部門の売上高、連結決算を発表している企業は個別決算の売上高を基本に記載している。このため一部、店舗販売、卸販売、訪問販売などの売上高を含む企業もある。原則、国内の通販売上高のみを掲載しているが、海外ユーザーが国内チャネルから購入する越境ECの売上高も一部含んでいる。
◇売上高を公開していない企業についても、市場規模やランキングの作成に影響のある企業については推定数字を用いて掲載した。推定数字は本紙の取材のほか、決算公告や民間調査機関による資料などを活用した。
ランキングの売上高は百万円単位で、10万円未満は切り捨て。増減率のパーセントは小数点第二位を四捨五入した。増減率の「―」は不明か算出不能。
◇「※」は本紙推定、「▲」は前年比マイナス。
<企業注記>
◎を付けた企業の説明は以下の通り。
▽アマゾン(日本事業)=米アマゾン・ドットコムの2024年12月期における日本事業の売上高274億100万ドルに対して、2024年の平均為替レート(1ドル=151円)で円換算して掲載した。マーケットプレイス出品手数料や、有料会員サービスの年会費などの売上高を含む。
▽アスクル=国内・海外を合わせた通販売上高。
▽MonotaRO=単体売上高のみ掲載した。
▽ジャパネットたかた=ジャパネットホールディングスの連結売上高。
▽大塚商会=たのめーる事業の売上高を掲載した。
▽ミスミグループ本社=VONA事業の売上高を掲載した。
▽ベルーナ=グループ全体の通販売上高。
▽ビックカメラ=連結ベースのEC売上高。
▽ビィ・フォアード=日本国内外のEC売上高を含む。
▽アズワン=システム利用料を省いた売上高を掲載した。
▽オイシックス・ラ・大地=食品宅配3事業(Oisix、らでぃっしゅぼーや、大地を守る会)の合計売上高。
▽歯愛メディカル=ニッセンホールディングスの売上高も加えて掲載した。
▽オールアバウトライフマーケティング=「dショッピング」の売上高も含む。
▽千趣会=通販事業全体の売上高。
▽アシックス=海外を含むEC売上高1070億円から、国内販売を20%として算出。
▽フェリシモ=定期便事業の売上高。
▽キューサイ=キューサイグループの連結売上高。健康食品・化粧品・その他を含む。
▽イングリウッド=他ブランドとBtoB事業などを含む連結売上高
▽サウンドハウス=店舗・通販合計の売上高。
▽ZOZO(中古)=中古品の買い取り販売サービス「ZOZOUSED」の売上高。
▽コメ兵=ECシステムを活用した店頭取り寄せ商品の売上高も含む。
▽山善=BtoC売上高。
▽ユーグレナ=エポラ、MEJ、LIGUNAなど、キューサイを除くグループ全体の売上高。
▽アクシージア=中国など海外のEC売上高を含む。
▽オージオ=海外売上高を含む。
▽ジェイドグループ=ECモール事業の売上高を掲載した。
▽ピーディーアール=通販以外の売上高を含む。
▽MRKホールディングス=連結業績のうち、通販部門の売上高。エンジェリーベの通販売り上げを含む。
▽ライトオン=EC売り上げとECサイトで注文した商品を店舗で受け取り支払いをした売上高の合計。
▽amsplus=GSIクレオスから社名変更。
▽未来ガ驚喜研究所=自社ECサイトのみの売上高。