企業と製品にほれ込む
――これまでのキャリアについて聞きたい。
私はこれまでフランクリン・コヴィー・ジャパンで17年間社長を務めていた。当時は、リーダーシップ開発や個人の生産性向上に関する研修やコンサルティングを行っていた。書籍「7つの習慣」はご存知だろうか。組織論やビジネスマンのマインドトレーニングの分野で有名な書籍だが、以前は私自身が日本版の改訂に携わっていた。
フランクリン・コヴィー氏は、多くのNB企業とパートナーシップを組んでおり、ディストリビューター向けや社内スタッフ向けのトレーニングを提供している。NBに携わる人は、リーダーシップ開発への意識が高いと感じている。「7つの習慣」を読んでいる人も非常に多いだろう。
――今回ユニシティ・ジャパンのGMに就任したきっかけは。
フランクリン・コヴィー・ジャパンでの仕事に区切りがつき、そろそろ米国に戻ろうと考えていた去年の11月頃、妻とも相談し、もう少し日本にいた方が良いと感じるようになった。
そんな時、ユニシティのCEOの息子であるフェントン・ヒューズ氏に会う機会があった。彼から「日本のジェネラルマネージャーを探している。興味はないか」と聞かれたのだ。
その時点ではNBについての知識も興味もなかったが、フェントン氏に非常に良い印象を受け、彼の父親であるスチュワート・ヒューズCEOや他の兄弟も紹介してもらい、彼らの人柄や信頼できる姿勢に感銘を受けた。
――製品や企業文化についてはどのように感じたか?
サンプルとして「フィールグレート」(ユニマテとバランスのセット)を飲んでみた。その時、非常に高い体感性を感じた。空腹を感じにくくなったのだ。
この製品は本当に効果があると実感し、すぐに大好きになった。私は、心から製品が良いと思えない会社の仕事は引き受けない。ユニシティの製品は本当に素晴らしかった。
ユニシティが株式会社ではなく、ヒューズ家が所有する家族経営の企業であることも魅力的だった。以前の会社よりも、ビジネスに対するアプローチがより長期的な視点に立っていると感じたのだ。
一般的な株式会社は、四半期ごとの業績に焦点が当たり、株主からのプレッシャーが大きい。もちろん、それが悪いことだとは言わないが、ユニシティはそうではない。
顧客の「Make Life Better(人生をより良くする)」という目的のために経営されていると感じた。言葉だけでなく、それが本当に実践されていると信じている。
日本市場の可能性と課題
――日本のMLM市場は規制が厳しく、消費者の目も厳しい部分があると思うが、どのように考えている。
確かに、日本市場は他の国と比べて難しい側面があると感じている。
例えば、米国では製品のビフォーアフターの写真をより自由に使えるのに対し、日本では表現が制限される。
しかし、こうしたチャレンジはクリエーティブに乗り越えるチャンスだと捉えている。法律を遵守しながらも、私たちの強力な製品の魅力を効果的に伝える方法を見つけていきたい。
――日本市場のポテンシャルについてはどう見ているか。
ポテンシャルは非常に大きいと思う。ニーズがある。アメリカでは肥満の問題が大きいので「フィールグレート」のような減量に特化した製品が人気だが、日本は健康寿命への意識が非常に高い。100歳以上の人口も増えている。
高齢化社会において、ユニシティの製品は、脳の健康や筋肉の維持に役立つなど、より長く元気で、幸せに生きたいというニーズに応えられると確信している。
今後導入される新製品も、筋肉維持に役立つものが予定されている。
日本人は胃腸の問題を抱えている人も多いと聞いている。
「クレンズシリーズ」を中心としたユニシティの製品は、そのようなニーズにも非常に効果的だと感じている。ユニシティは、特定の健康問題だけでなく、全身の健康をサポートする幅広い製品を提供できる点が強みだ。
日本の市場規模、そして健康への高い意識を考えると、非常に大きなチャンスがあると見ている。
ディストリビューターと今後の戦略
――ユニシティのディストリビューターの印象は。
非常に熱心な人が多い。多くのユニシティ・ジャパンのリーダーと会ってきたが、非常に良い印象を受けている。彼らは単にお金もうけだけを目的としているわけではない。CEOもよく話すが、お金持ちになることだけが成功の理由であれば、それは本当の成功ではないと。彼らは人を助けるため、そして自身のビジネスの成功を通じて人々を助ける自由を得るために働いている。
特に印象的だったのは、多くのお客さまが子供のアトピーやニキビ、便秘などの問題で悩むお母さんのような存在だということだ。親は子供を心から愛し、心配している。同じように、リーダーたちは傘下のメンバーやお客さまを心配している。
そのような問題に効果のある製品を提供することで、ユニシティの「Make Life Better」という目的が果たされている。リーダーたちは、そのような高い精神性を持っていると感じている。
――最近の、NB市場では、事業停止や企業買収などもあり、混乱しているという向きもある。どのように見ているか。
個別の企業の状況について詳しくコメントすることはできないが、ユニシティは無借金経営であり、株式非上場であるため、株主の意向に左右されることなく、ディストリビューターの目線で経営されている。
元々CEO自身がトップディストリビューターだったという経緯もあり、ディストリビューターが安心してビジネスを続けられることがいかに重要かを理解している。このような安定した経営基盤と、顧客の「Make Life Better」という揺るぎない目的が、ユニシティの大きな強みだと考えている。業界全体のイメージ向上にも貢献していきたい。
2024年12月期は2桁成長
――2024年12月期を振り返ってもらいたい。
2024年12月期は2桁成長を達成できた。大きな要因としては、2年ぶりの価格改定があった。
製品の約10%の値上げを行ったのだが、それに伴う駆け込み需要で、値上げ前の7月はここ数年で最高の売り上げを記録した。
前期の上半期(2024年1‐6月期)には、2年に一度のグローバルコンベンションがあった。そこに向け各ディストリビューターが資格達成に取り組んだことなども売り上げ拡大に大きく貢献した。
――今期の進捗は。
今期の下半期は大幅な成長を見込んでいる。
新たな戦略やプロモーションを準備しており、年末までに良いトレンドを作り、来年以降の成長へとつなげていきたいと考えている。
――新製品の投入予定についても聞きたい。
今年の11月頃には、新たなファイバー系製品「インナークリーンファイバー」の発売を予定している。来年度(26年12月期)には、筋肉の維持をサポートするサプリメントの導入を検討している。ボディービルダーだけでなく、高齢者の健康寿命を延ばし、より元気に動いてもらえるようにするための製品だ。