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2024.01.05

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【新春インタビュー】エイジアクリエイト 吉田友則社長 「自社の強みを訴求できる体制に」

エイジアクリエイト 吉田友則社長 


家庭教師の派遣や小中学生向けの学習教材ブランド「デスクスタイル」を展開するエイジアクリエイトは小・中学生を対象とした自習塾「desk STUDIO(デスクスタジオ)」の3店舗目を2023年7月、岐阜県大垣市にオープンした。社内業務のDXを進めており、2025年には、電子契約書面を実現することで営業社員の業務効率の向上を目指している。吉田友則社長に聞いた。


─2023年11月期の業績見通しは。

売上高は前年よりも5%ほど減収になる見通しだ。コロナ禍で社内の働き方改革が根付いた影響や社内のコミュニケーションが希薄になったことにより、営業社員の提案力が低下した。

新規契約の7割がホームページからの問い合わせによるものだ。要請を受けて訪問する営業社員が、同業他社のサービスと比較して提案することも多くなり、その場で契約するということが少なくなった。

─増益になった理由は。

コロナ禍前と比べて売り上げは10%減収しているものの、人件費も含めて維持コストもバランスが取れてきたことや信販会社の加盟店手数料の改善が進んだことが大きい。郵送費や印刷代のコストが10%ほど値上がりしたなかで、社内の業務改善を進めて少しずつ対応してきている。

─社内のコミュニケーション確保も課題と聞く。
 
新たにグループ内を横断する組織「アカデミー」を設置した。営業成績上位の社員や責任者を3人選抜した。営業に関するノウハウの見直しや人材育成マニュアルの整備を実施している。他社との比較ではなく、自社の強みをきちんと訴求できる営業スタイルに戻すことを主眼に置いた。

当社が主対象としているのは、平均点以下の子どもを持つ世帯だ。学校で学んでいる内容に加え、過去のカリキュラムにさかのぼって学べることが強みだ。

学習塾では、さかのぼって学ぶことが難しい。家庭教師による個別指導の強みを前面に押し出せるような提案を進めたい。

─人材不足の中で、家庭教師の確保についてはどうか。
 
ひと昔前は、家庭教師派遣の待遇が良い時期もあったが、今は他の業態とそれほど変わらない。こうした背景から、登録の総数自体は減っているが、子どもに勉強を教えたいという意欲のある大学生や社会人が増えている。
 
社会人が副業しやすい環境になってきたので、質の高い人材の登録が増えてきている。
 
─自習塾「desk STUDIO(デスクスタジオ)」の3店舗目を、岐阜県大垣市にオープンした。
 
自習塾については、地域で認知されるまで時間がかかるため、1年目は様子見の期間だ。
 
学校帰りの図書館代わりに活用する子どもが多く、その日の復習や次の日の予習に利用しているようだ。また、商業施設で働く従業員の子どもが利用することもあり、その時間に合わせて利用することもある。
 
2024年はフランチャイズ展開を検討していて、まずは東海エリアで計画している。
 
─2024年11月期の事業計画については。
 
売り上げについてはまず現状維持を目標に据えている。社内的には、データベースの完全クラウド化を目指しており、これが実現すると、営業所間のやり取りが現状のFAXや電話から、クラウド上で業務管理できるようになる。
 
2025年春には、お客さまからの電子(ウェブ)申し込みのシステムと、連携を目指している。2023年に導入を検討していた、電子書面交付が実現することで、30~40代の顧客の利便性が高まるだろう。電子申し込みができるようになれば、訪問する営業社員の業務負担が減らすことができる。
 
2025年には教科書改訂を控えており、このタイミングで自社での在庫管理と出荷ができる体制を整えることで仕入れコストの改善を進めたい。




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