ネットワークビジネス(NB)でハーブティー「ジェイソン・ウィンターズ・ティー(以下JWT)」を販売しているイオスコーポレーション(本社東京都、石川雄志社長)は2023年5月に開催した創業20周年イベントで、多数の新施策を発表し、話題を呼んだ。農産物のプラットフォームの創設から、化粧品の新ブランドの展開、逆浸透膜浄水器の発売、家庭用フィットネスバイクの独自アプリの展開まで、発表内容は多岐にわたるものだった。「健康と未来の社会的課題の解決に貢献する総合的なプラットフォーム事業」を展開していくのだという。同社の2022年12月期の売上高は27億3000万円。新施策の展開によって2023年12月期の売上高は35億円を超える見通しだという。2024年12月期は40億円超の売り上げを見込んでいる。石川社長に話を聞いた。
─20周年イベントでは、新施策を次々に発表し、驚かされた。 2023年は新施策を続々と打ち出した1年だった。20周年イベントでは、こだわりを持つ農業生産者と消費者をつなぐプラットフォームとして立ち上げたオンラインショップ「あさいち」から始まって、「肌への負担」「機能性」「植物由来」「アロマへのこだわり」「環境負担への配慮」を追求した新化粧品ブランド「アロマシア」の創設や、逆浸透膜浄水器「r―eos(アールイオス)」の発売なども発表した。「アールイオス」は、最近問題となっている有機フッ素化合物「PFAS(ピーファス)」にまで対応できるのが特徴だ。
独自の家庭用フィットネスバイク「e―Homebike(イーホームバイク)」の発売も発表。連動する「e―Homefits(フィッツ)」アプリの提供開始もお知らせした。
イベントでは、会員向けサービスとして「EOSプライム」を立ち上げることも予告していたが、このサービスも23年11月1日から提供を開始した。「EOSプライム」になれば、送料無料のサービスが受けられたり、「あさいち」の商品を割安で買えたりする。「フィッツ」アプリの使用料1500円(税込)も無料になる。
さまざまな発表を行ったが、中でも特に大変喜んでいただいたのが「Natra(ナトラ)」ブランドでプロテインを発売したことだった。2023年10月に沖縄で開催したBPサミットをもって発売したところ1カ月半で2000個以上が売れるヒットとなっている。
─「ナトラプロテイン」の特徴は。 大豆プロテインと動物性のプロテインの両方を配合している点に特徴がある。両方配合することで、お互いの弱点を補うことができる。動物性プロテインとしては、グラスフェッドの牛のWPI(ホエイプロテインアイソレート)を使用している。WPIでは、糖質・脂質が極力カットされており、乳糖不耐症にもなりにくい。
─開発の経緯は。 大豆由来のプロテインの良さは以前から分かっていた。一方で高齢者のフレイル対策にはなりにくいという欠点も見えていた。一方で動物性も欠点があるということで行き詰まりを感じていた。そんな中、大豆プロテインとWPIをミックスするというアイデアに行きつき開発に成功した。
─会員からの受け止めは。 大変いい。溶けやすさ、飲みやすさ、味の良さがすべて評価されている。リピートで注文する人もどんどん増えている。
─他にも新たな取り組みは行っているか。 例えば、2024年の年明けには、シャンプーとトリートメントを発売する。「JWT」をあめにした「ジェイソン・ウィンターズ・ドロップ」も発売する。非常に要望の多かった製品だ。「あさいち」においては、自社ブランドの大豆肉も開発した。
これらすべての新施策は、「健康と未来の社会的課題の解決に貢献する総合的なプラットフォーム事業」を志向するものだ。高齢化が進む日本において「介護の必要のない社会」を目指したい。
─御社は、新商品の発売に大変慎重な企業という印象があった。一気に新商品を発売したのにはきっかけがあったのか。 これだけの新商品をすぐに開発できるわけがない。長年にわたって準備は進めてきた。ただ、当社の会員は、誤解を恐れずに言うと「質が高い」。NBっぽくない組織とも言われる。新商品を小出しに発売して、この空気感を壊したくはなかった。発売するなら一度に、と考えていた。20周年を機に満を持して発売した。
─2024年はどんな年になるか。 2024年は、2023年に発表した内容をしっかり浸透させていく1年になる。
大きな目玉として24年4月13日にはイオス台湾のプレオープンを予定している。縁故募集を1年行ってきており、プレオープンイベントには300人が参集する予定だ。9月にグランドオープンを予定している。
─2023年12月期の売り上げ見通しは。 35億円はいくと見ている。2024年12月期には売上高が40億円を超すと考えている。今後も、社会に必要とされ、社会と調和する当社であり続けたい。