内閣府消費者委員会はこのほど、「支払手段の多様化に伴う消費者問題」について検討した専門調査会の中間整理案を公表した。キャッシュレス決済の利便性が高まる一方で、後払い決済(BNPL)やキャリア決済を中心に、新たな消費者トラブルが深刻化している現状を報告している。今後、規制の枠組みから外れていた決済手段や、複雑化する、事業者間の責任の所在を明確にするための具体的な対応策が議論される見通しだ。
中間整理案によると、キャッシュレス決済は、その複雑さからトラブルが未然に防がれにくく、被害救済も困難になっているという。特に、後払い決済やキャリア決済は、収入確認や信用調査が不十分なまま利用されるため、多重債務の一因となる可能性が指摘された。
後払い決済やキャリア決済が、詐欺的な取引に悪用される事例も増えており、被害金が海外に送金されるなど、被害回復を困難にしている実情が示された。
7月30日に行われた中間整理案に関する議論では、現行の法律が多層化した決済システムに対応しきれていないことが共通認識とされた。
消費者トラブルの解決には、行政規制だけでなく、被害者の迅速な救済を可能にする民事ルールの整備も重要との意見が出された。
消費者からの苦情対応窓口の明確化や、事業者の加盟店管理責任のあり方についても、今後さらに議論を深める必要があるとする意見も挙がった。
続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。
会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。