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2024.01.08

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【新春インタビュー】QVCジャパン 伊藤淳史代表取締役最高経営責任者(CEO)「就任1年、変わらず新商品の販売に注力」 [1/2]

伊藤淳史代表取締役最高経営責任者(CEO)


テレビ通販大手のQVCジャパンの代表取締役最高経営責任者(CEO)に伊藤淳史氏が就任してからまもなく1年間が経過しようとしている。伊藤氏がCEOに就任した後も、QVCジャパンの成長は続いている。伊藤CEOに今期の取り組みや今後の展望などを聞いた。



人らしく生きる生活を


ーー2023年3月31日付でCEOに就任しているが、改めて就任の経緯について伺いたい。

私は2016年9月から2020年4月まで、QVCジャパンCFO兼QVCサテライト取締役として勤務してきた。そして、2020年5月から2022年12月はQVCジャパンを離れ、別の企業でCFO兼取締役として従事してきた。CFOは最高財務責任者のことであり、企業における財務戦略の立案、執行までを行ってきた。

一時、QVCジャパンを離れたが、そのときに新型コロナウイルスが拡大し、多くの人が自宅で過ごすようなった。リモートワークも浸透し、朝起きて朝食を食べて自宅で仕事をしてと、全て自宅で完結するようになっていた。

ただ息をして心臓が正常に働いて時間が過ぎていく。果たしてこれでいいのかと考えるようになった。やはり「何か新たなものを発見すること」「感動すること」など、心が動いていくことが、人が人らしく生きていくということにつながると思った。この心を動かすことは、QVCジャパンで実現できると思い、戻ることにした。

ーー2022年12月期は売上高が前期比3・8%増の約1329億円、営業利益が同6・5%増の269億4700万円と増収増益となった。今期はどのような状況なのか?

細かい売り上げなどはお伝えできないが、2023年1―9月期(第3四半期)までを見ると、ほぼ前年並みの水準で推移している。

ーーその要因を伺いたい。

正直なことを申し上げると、今期の第1四半期は予定通りの着地ではなかった。2023年3月からマスクの着用が個人の判断になったり、それに連れて外出する人が増えたり、WBC(ワールドベースボールクラシック)の放送などで、テレビ通販を視聴する人が減少した。この点が業績へ大きく影響した。

だが、第2四半期からは盛り返せている。その理由は、すごくシンプルだ。QVCジャパンの戦略は、「新しい商品を届ける、そしてそれにまつわるストーリーも同時にきちんと届けること」。
 
第2四半期も新商品の販売を行い、消費者に新鮮さを提供した。過去を振り返ると、ビューティー美容関連グッズや健康ヘルス商品などを販売し、実際に販売も好調だった。

2023年9月からは、旅行会社のJTBと連携し、クルーズ旅行商品も販売した。これはQVCジャパンとして初めての取り組みで、既存の顧客に新たな買い物の楽しさを提供した。

旅行商品は他社も販売しているが、当社は2023年12月30日から2024年1月7日までの年末年始に旅行できる「ワクワク感」と、グアムやサイパンに寄るという他社とは違うパッケージプランで差別化を図った。
 
ーー来期の展望は?

個人的に小売業というビジネスは、この施策を行ったから売り上げが急激に増加するということは起きにくいと考えている。来期も変わらず「新商品の販売」に力を注いでいく。

ーー新商品の販売ということだが、今まで取り扱っていない商品も販売すると思う。そこの基準は?

それは二つある。一つは誰でも知っている、もう一つは逆であまり知られていない商品を用意する。あまり知られていない商品は、ふらっとQVCの番組やサイトに訪れた人に、「この商品見たことないな」と気になってもらうことにつながる。メーカーがナショナルブランドとしては発売しないが、QVCジャパンで販売するなど、さまざまな取り組みを検討している。

日本流通産業新聞

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