矢野経済研究所(本社東京都、水越孝社長)は8月25日、国内住宅リフォーム市場の現況や参入企業の動向、将来展望などの調査結果を公表した。
2024年における国内の住宅リフォーム市場規模は、前年比微減の7兆3470億円と推計した。分野別では「増改築に関わる費用」が前年比3.5%減、「設備修繕・維持関連費用」が0.4%増、「家具・インテリア費用」が同5.6%減だった。物価上昇などの影響でリフォームのマインドが低下したことや、工事件数が減少傾向に推移したという。
建築資材費や人件費などのリフォーム工事原価の上昇に加え、省エネやグリーン住宅など政府の補助事業を契機にリフォーム工事の内容を拡充する動きがみられ、1件当たりのリフォーム工事単価が上昇したと分析している。リフォーム需要の減少分を単価の上昇で補填できたことで、2024年の市場規模は前年比微減で着地したと推察している。
住宅リフォーム業界でM&Aが活発化していることにも触れた。背景に中小工務店やリフォーム事業者における経営者の高齢化と後継者不在が課題になっていることを挙げた。
売り上げ拡大に向けて新規顧客やエリアの開拓を目指す中、スピード感をもって新規開拓を進めるためのM&Aもあるとした。
住宅リフォーム業界全体として、社内人材や協力会社、施工技能員の不足、建築資材や人件費など事業コスト上昇の課題が浮き彫りになり、解決方法の一つとしてM&Aによる事業再編が加速すると予想している。
2025年の住宅リフォーム市場規模は前年比0.7%減の7.3兆円に留まるとも予測した。前年に引き続き、2025年も物価高などの影響により工事件数は減少するものの影響は軽微だとした。リフォームの工事単価の上昇により、住宅リフォーム需要の減少幅がカバーできる見込み。住宅リフォームの市場規模は横ばいから微減傾向で推移すると見通している。
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