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2024.01.10

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【新春インタビュー】 シニアライフクリエイト 高橋洋社長「地域医療と連携強化で販路拡大」


シニアライフクリエイト(本社東京都、高橋洋社長)が運営する高齢者専門宅配弁当「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」は、2023年9月期における売上高が前年比4.3%増の208億1900万円だった。コロナが収束し、新規顧客を開拓するスーパーバイザーの動きが活発化。地域のケアマネージャーに向けた講座やセミナーの再開も増収要因となった2023年は地域医療との連携も開始し、食だけではなく、安否確認やコミュニケーションなども重視している。高橋社長に話を聞いた。


─増収要因と取り組みについて聞きたい。

コロナが緩和されてきて、制限が解除され、介護関連事業所などに対し、「宅配クック ワン・ツゥ・スリー」の紹介を求める活動が再開できた。

当社のスーパーバイザーは地域のケアマネージャーを集めて栄養の講習などのサロンを開催している。コロナ流行中は年間で開催がゼロだったが、徐々に開催できるようになった。また、地域の高齢者の健康寿命の延伸をテーマにした、ケアマネージャーの活動方針についての講座やセミナーも積極的に参加した。住民の健康寿命を延ばす一つの方策として、管理栄養士などの話を聞く中で当社のサービスを紹介することもある。

在宅高齢者が増えている中、需要が伸びていることも売り上げが伸びた理由の一つである。

地域医療との連携


─2023年の取り組みは。

初めて地域医療との連携を行った。これまでは介護業界とのつながりだったが、今後は医療とも連携して、新たなユーザーの開拓を始めた。介護のほうからは、安否確認などの依頼が多いが、医療からは介護の状態になる前に、栄養の満たされた食事を配達してほしいという依頼が多い。医療からの販路の広げ方が今後のユーザーの獲得につながると思っている。

店舗の出店に関しては、2023年は「礼文島」「根室」に出店ができた。離島などは、マーケティングの視点で言うと、あまり店舗を出す地域ではないが、福祉的な概念でいうと、達成感がある。

当社の直営店は香川県小豆島にある。離島や地方で店舗を構えることを不安に思うオーナー希望者もいると思うが、会社が自ら直営店を離島に出す姿勢を見せることで、安心感を持ってもらっている。

─2024年の計画は。
引き続き、地域医療との連携を強化し、広げていきたい。

介護を受けている人に宅食弁当で、安否確認とコミュニケーションを含めながら配達することに加え、介護が必要になる期間を遅らせたい。例えば、特別養護老人ホームに入所するのを2~3年後に遅らせる。これは食べることからでも可能だと思っていて、未病の人へのアプローチを広げていきたいと思っている。

地域住民が気軽に立ち寄れる集いの場となる「昭和浪漫倶楽部」の運営も行っており、ここは医療機関との連携を見据えて出した。人と人が誘い合って行けるコミュニケーションの場として、地域医療と連携できた地域には併設したいと考えている。

宅配弁当については、配達できない場所をゼロにしたい。この取り組みは推進中で、その他の離島や山間地域にも出店していきたい。





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