「pDC」はウイルス感染防御において重要な役割を果たす免疫細胞で、その活性は「インターフェロンα」の産生能力によって示される。しかし、従来の「pDC」活性の測定は侵襲的であり、専門的な知識や機器を必要とするため、簡便な測定方法が求められていた。
今回の研究では、「pDC」活性と関連する尿中のタンパク質や「miRNA(マイクロRNA)」を特定することに成功した。特に、「pDC」活性が高い人の尿中には「イムノグロブリンA(IgA)」をはじめとする複数の免疫関連タンパク質が多く存在することが確認された。この発見により、非侵襲的に免疫活性を評価する新たな方法の開発が期待されている。
研究は2022年に開始され、和歌山県で51~55歳の住民223名を対象に特定健診を実施した。「pDC」活性が高い参加者と低い参加者を選び、尿中のタンパク質およびノンコーディングRNAの網羅測定を行った結果、「pDC」活性と関連のある115種のタンパク質と96種のノンコーディングRNAを同定した。

▲pDC活性の高低と関連のあるタンパク質(赤いプロット)

▲pDC活性の高低と関連のあるノンコーディング RNA (赤いプロット)
この研究成果は、キリンが2025年5月に発表した「免疫」の状態を可視化する独自の検査サービスに活用される予定である。キリングループは、自然と人を見つめるものづくりを通じて、「食と健康」の新たな喜びを広げ、心豊かな社会に貢献することを目指していると述べている。
※本記事の制作にあたってAIを活用しています。