独自の生成AIモデル「LION LLM」の開発開始
ライオンは「アマゾン ウェブ サービス ジャパン(AWSジャパン)」と協力し、独自の生成AIモデル「LION LLM」の開発を開始した。これは、ライオンが掲げる2030年の経営ビジョン「次世代ヘルスケアのリーディングカンパニーへ」の実現を目指す取り組みの一環である。
ライオンは、長年の経験から得た「暗黙知」が企業を支えているとし、熟練技術者の退職による知識やノウハウの喪失を課題としていた。2022年に生成AIが登場して以降、ライオンは専門領域に対応するため、研究ナレッジ検索ツールを導入し、情報検索の効率化を図ってきた。しかし、専門知識が必要な高度な質問や複雑な業務には依然として課題が残っていた。
この背景から、ライオンはAWSジャパンの協力を得て、内製開発環境を整備し、独自のLLM開発に着手した。2025年4月から「AWSジャパン」の生成AI実用化推進プログラムに参加し、コスト支援や技術協力を受けている。分散学習基盤を社内に構築し、「AWS ParallelCluster」と「NVIDIAのMegatron-LM」を組み合わせ、効率的な分散学習環境を実現した。
この学習基盤では、「Qwen 2.5-7B」をベースモデルとして使用し、研究報告書や製品組成情報、品質評価データなど、数十年にわたる社内知見を学習データとして投入した。これにより、過去の知見を踏まえた具体的なアドバイスや、複数の事例を統合した回答が可能であることを確認している。
今後、ライオンは学習データの構造化・クリーニングを進め、データの拡充と品質向上を図る予定だ。経済産業省およびNEDOが主導する「Generative AI Accelerator Challenge」で開発された国産モデルの活用など、多角的なアプローチで精度向上を目指す。これらの取り組みをナレッジ検索ツールと統合し、知識資産の最大活用を通じたものづくりDXの加速と競争優位性の向上に貢献するとしている。
※本記事の制作にあたってAIを活用しています。
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