「オリーブ発酵液」誕生
リニューアルの目玉は、独自開発した新成分「オリーブ発酵液」だ。今回新たに「DHC 薬用 マイルド ローション」「DHC 薬用マイルドローションII」「DHC オリーブ エッセンシャル クリーム」の3品目に配合した。
この新成分は、オリーブオイルを搾った後に残る、果皮や果肉、種子など「オリーブポマス」を原料としている。通常は肥料として使用される部分だが、DHCはここに肌に役立つ成分が豊富に含まれていることに着目。日本屈指の発酵技術を持つ種麹メーカー「秋田今野商店」の協力を得て、オリジナルの酵母で発酵させることにより、有効成分を最大限に引き出すことに成功したという。
DHCの香粧品ユニット研究開発グループの王徳龍課長によると、DHCの長年の研究により、オリーブ発酵液は高い抗酸化力を持つポリフェノール「ヒドロキシチロソール類」の量が、通常よりも1.31倍に増加することが明らかになったとしている。
同社は、この高い抗酸化活性によって肌の老化を防止し、ハリや弾力を向上させる効果を訴求している。
変わらない価値と挑戦
今回のリニューアルでは、長年の愛用者にとって大切な、「使用感の良さ」や「肌へのやさしさ」を維持することにこだわったという。
通常、化粧品メーカーが商品のリニューアルを行う際には、同一タイミングで値上げも行うケースが多い。
今回のリニューアルではむしろ、数円の値下げになっているという。「お客さまに手に取ってもらいやすい価格」を意識した結果だとしている。
これまでオリーブ成分が配合されていなかった一部の化粧水にも、今回からオリーブ発酵液が配合された。シリーズ全体での統一感が高まったという。
「第二創業期」が事業を動かす
今回リニューアルした3品は、DHCの多くの化粧品の中でも、主力の商品だ。長年愛用している顧客が多いことから、「まずは、リニューアルしたことを、既存顧客に丁寧に伝えていく」(マーケティング統括ユニット・化粧品企画グループ・兼平奈央子氏)と話す。
今回のリニューアルは、DHCの経営刷新後の「第二創業期」を象徴する取り組みでもあるという。
以前は各部署が縦割りだったというが、このリニューアルプロジェクトを通じて、一つの目標に向かう中で、連携を強めたという。3品目の開発には、マーケティングチームや研究開発チームなど、全社が一丸となって取り組んだという。
王課長は、「DHCの強みは何かを社内で改めて考えた結果、原点であるオリーブに行き着いた」と語る。
長年続けてきた「オリーブ研究」を深掘りすることで、新たな成分を発見し、今回の商品開発につながったという。同社は今後もオリーブ研究を継続し、お客さまに価値を提供し続けると述べている。
DHCは今回のリニューアルを皮切りに、今後3年間で新商品を含め約200品目を追加する計画だ。新たな顧客層の獲得に向けて、TikTokショップの開設や、ウェブ広告の出稿、PR活動にも力を入れるという。「これまで以上に、DHCの良さを積極的に伝えていきたい」(兼平氏)としている。
