一般社団法人ダークパターン対策協会(事務局東京都、小川晋平代表理事)は10月15日、ダークパターンを使っていない販売サイトを認定する「非ダークパターン認定制度(NDD認定制度)」の審査申し込みを開始した。同時に、認定マークが、融資や決済代行の加盟の審査基準になるか協議を進めているという。
ダークパターンは、消費者を欺き不利益をもたらすUI・UXを指す。「残りわずか」などと表示して購入を急かしたり、選択していない商品が先にカートに入っていたりしたもの典型的な例だが、営業・販促との線引きが明確にできず、法令での取り締まりが難しい側面もある。
ダークパターンの広がりは、消費者だけではなく、正当な販売をしている事業者にも不利益が生じる可能性がある。
同協会では、ダークパターンを使って短期的に利益を上げても利用者が離れて貸し倒れが発生するケースについて金融機関向けに啓発セミナーを実施している。今後は融資条件に認定マークの取得を取り入れられないか協議を進めているという。
また、決済代行会社とも同様に、加盟店の審査基準に認定マークの取得を加えられないか協議を進める。日本後払い決済サービス協会(事務局東京都、柴田紳会長)でも、ダークパターンに関連して発生した代金回収トラブル事例について、定期購入であることが分かりにくく、解約条件も不透明になっていて意図せずに契約してしまったという相談を受けている。
認定マークの取得を加盟店の審査基準として利用することの有効性については、「認定マークを取得したウェブサイトについては、健全性の指標として有効であると認識しており、協会として加盟店審査での利用や自主ルールへの反映を検討している」(担当者)。ただ、認定マークの普及状況が不確定である現状を踏まえ、「審査基準として本格的に活用するには、十分な普及度合いを見極める必要がある。今後の普及状況や業界における定着度を注視し、その有効性を総合的に評価した上で、正式な審査基準への導入を検討していく」と回答している。
ダークパターン対策協会は、認定マークの普及と認知向上を目指して、事業者向けの無料セミナーを実施し、これまでに約200社が参加。認定制度の申し込み開始前から問い合わせも増えている。協会の正会員は20社で、通販事業者のほかに、カートシステムのベンダーやAI開発企業もあるという。
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