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2024.01.15

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水関連製品

【インタビュー】アクアクララ 赤津裕次郎社長 「コストコなど新規獲得の販路を拡充」


リターナブル形式で水宅配事業を展開するアクアクララ(本社東京都)は2023年、会員制の倉庫型店舗であるコストコでの、催事によるブース販売を開始した。他の商業施設とは客層が異なることなどから、新規顧客の獲得が順調に進んでいるとしている。2022年に展開を開始した、ディズニーキャラクターをデザインしたウォーターサーバーも、新規顧客の獲得に大きく貢献しているという。同社ではこうした、新規顧客を獲得しやすい施策を打ち出していくことにより、各地域の加盟店を盛り上げていく考えだ。アクアクララの赤津裕次郎社長に、2023年の振り返りと、24年の事業戦略について聞いた。

他会場の数倍以上獲得も

――2023年はコロナが5類に分類され、アフターコロナを迎えた。影響はどうか。

コロナが5類になったから何かが変わった、ということはなかったと思っている。

それよりも、今年は夏が暑かった。それによって、水ボトルの消費量が増加した。新規のお客さまも増えた。ウォーターサーバーと水宅配の新規獲得は、気候に大きく影響されるのだと改めて実感した。

我々フランチャイズの本部としては、お客さまの水ボトルの消費量が落ちたり、水宅配の解約が増えたりしないようなキャンペーンを打っていくことを考えている。

2022年に、新たにコストコとパートナーシップを組んだ。2023年からはコストコの各倉庫店で、催事ブースを設置して、水宅配の販売を本格的に開始した。

これまでは別の商業施設で催事販売を行ってきたが、コストコには、他の施設とは異なる客層が訪れているようだ。他会場に比べ、一日平均数倍以上のお客さまを獲得できている。

コストコのような外資系の企業は、リターナブルボトルを使った水宅配のメリットをよく理解している。リターナブルボトルは、ペットボトルごみがほとんど出ず、SDGsや環境保護への貢献度が高いということも知ってくれている。外資系企業は、日本企業に比べて、SDGsに対する姿勢が前向きだ。当社とパートナーシップを結んでくれる理由でもある。

今後も、コストコとの提携を強化したい。

2022年に展開を開始したディズニーサーバーが、新規のお客さまの獲得にかなり寄与した。

2023年は、ディズニーをテーマにした花火大会などのイベントにも協賛した。ディズニーをきっかけに、新たなお客さまとの接点ができていると考えている。

経済的理由の解約が増加

――昨今は物価の高騰が叫ばれている。水宅配の顧客への影響はどうか。

確かに、ここ数年で、経済的理由での解約が増えている傾向がある。ウォーターサーバーの市場では、浄水型(給水型)ウォーターサーバーへと乗り換えるお客さまが増えている。経済的な理由があるのではないかと考えている。

当社も、2023年9月から、浄水型ウォーターサーバー「ハピットアクア」の提供を開始した。月額3300円の定額制で、冷水・温水・常温水をいつでも利用できる。大容量高性能フィルターを搭載しており、水道水をろ過して飲めるようになっている。

お客さまのニーズが拡大しているので、「ハピットアクア」をラインアップした形だが、当社としては、これまで通り、リターナブルボトルの宅配水をメイン商材としていく。

浄水型サーバーはあくまで、お客さまに、アクアクララとの長い関係を築いてもらうための商品だ。ゆくゆくは、リターナブルボトルの会員に戻ってもらえるようにする施策でもある。

浄水型サーバーには、ウォーターサーバーを使ったことがないというお客さまを掘り起こしたという側面もある。浄水型サーバーから、リターナブルボトルの宅配水へとグレードアップしてくれればいい。

「ウォーターサーバーのある生活は便利だ」と知ってもらうチャンスだと捉えている。

 

加盟店のサポートを強化


――2024年の事業戦略について聞きたい。

加盟店との関係の築き方を見直したいと考えている。今後、10年後、20年後も事業を継続していく上で、フランチャイズ本部としての役割をさらに明確にし、まっとうすべきだと考えている。

2023年4月に、アクアクララの直営部門と製造部門をそれぞれ分社化し、計3社の体制に変更した。これによって、加盟店の水宅配事業の運営をさらにサポートできる体制を作った。

2024年は、「解約したい」というお客さまに、解約を思いとどまっていただけるような施策を打ち出していく。顧客数をしっかりと純増させ、筋肉体質の企業にしていきたい。

スポーツイベントとのタイアップも積極的に行っていきたい。

2023年は、「湘南国際マラソン」や、ゴルフの「DUNLOP PHOENIX TOURNAMENT」に協賛した。出場者や来場者が水を飲む際に、ウォーターサーバーが役に立つ。「ごみを出さない社会貢献ができる」ということを、スポーツイベントを通じてPRしていきたい。


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