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2024.01.15

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水関連製品

【インタビュー】 富士山の銘水 粟井英朗 社長 「グループで当期利益1000億円へ エベレスト天然水など七つの事業を柱に」 [2/2]


エベレスト天然水を世界へ

――エベレストに採水工場を建設している。どのような計画か。

世界一標高が高いエベレストの天然水を、高付加価値なペットボトル天然水として、世界市場に販売していく計画だ。当社の調べでは、エベレストの氷河水をペットボトルの水として商品展開するのは、当社が世界初となる。

2022年に、ヒマラヤンエベレストウォーターという社名で、現地に法人を設立した。これまで現地に所有していた土地に加えて、新たな土地と井戸を取得した。工場建設のための、電気やガス、道路といったインフラを、現地政府の手助けもあって整備している。

2025年には、採水工場の操業を開始。エベレスト天然水の、ペットボトルへのボトリングと製品化を始める予定だ。

まずは、ネパールやインド国内に向けて商品展開する予定だ。次に、海外輸送ルートを通じて、アジアや中東諸国に販路を拡大していく。最終的に、「エベレスト天然水」の付加価値が生きる、欧州や北米に展開していく計画だ。

2026年には、エベレスト天然水事業だけで、売上高1000億円を計画している。2024年には50億円、2025年には100億円と、投資額を拡大させていく計画だ。

 

CO²排出しない都市モデル

――「CO²ゼロのモデル都市づくり事業」とは何か。

国・県の方針に沿った、脱炭素における具体的な活動を、富士北麓地域で行う事業だ。当社が山梨県富士吉田市に持つ、1万坪の敷地に、ワイヤレス給電技術を活用した、ワイヤレスモビリティーのプロトタイプを構築している。再生可能エネルギーを使った、CO²を排出しない都市の見本を作るという計画だ。

そのために、世界中から、脱炭素の技術に詳しい研究者を集め、幹部として雇用し、研究を進めている。

さまざまな技術開発について、特許も取得している。都市モデルを見るために、世界中から、多くの政府関係者や研究者、企業が見学にやってくる。

これは、儲けるためにやっているのではない。他の宅配水の会社とは、行っていることが全く違う。たくさんの企業を巻き込み、壮大な計画を一緒に推進する仲間を集めたいと考えている。

 

亜臨界水でごみを資源へ


 ――「亜臨界水」を活用した新事業も検討していると聞いた。

CO²ゼロに向け、「亜臨界水」を活用したエコサイクル社会を目指す新事業を立ち上げる。「亜臨界水」を使って、産業用ごみを、メタンガスや有機肥料に進化させる事業を計画している。すでに、実用化した際のガスや肥料の資源の引受先として、大手商社が手を挙げている。

「亜臨界水」を活用したごみを資源に変える技術の開発は、海外では進んでいる国も多い。脱炭素やSDGsに貢献する、公共性の高い事業になる。

当社が、ホテルやスーパー、飲食店、一般企業、病院などから、産業用の生ごみや一般ごみ、医療用のゴミを引き受ける。当社が自社で、亜臨界水のリアクターや周辺装置を設置し、ごみをエネルギー資源へと加工する。製造したエネルギー資源を、さまざまなルートで電力会社や企業へ販売していくという事業だ。

公共性と収益性の高い事業となるだろう。

 

1000億円のファンドに


 ――仲間を集めたいとは、どういうことか。

当社では自己資本でファンドを組成し、新興企業に投資するCVC事業を、七つ目の柱とすることを計画している。富士山の銘水グループとして、約20社からなる企業グループを構築していく。中核となるのは、富士山の銘水だ。エベレストの事業を行う現地法人や、都市モデル構築を行う富士ウェーブなどを始めとして、当社の天然水・浄水サーバーの販売代理店などもグループ化していく。各企業が、収益性の高いビジネスを展開していき、それぞれ単体で当期純利益50億円とIPOを目指すというモデルだ。

当社がベンチャーキャピタルとして、グループ企業に投資を行いつつ、経営に参画していく。

当社が現在行っている、宅配水・浄水サーバー事業は、収益性の高いビジネスとなっている。その経営ノウハウを各社で共有していく。

まずは、成長性の高い、当社のグループに参加し、天然水や浄水サーバーを大きく拡販してくれる代理店を募集したい。

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