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2025.11.07

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【コンタクトセンター特集】エバーライフ、パーソナル対応で顧客と伴走 商品知識を武器に信頼築く

井上厚子マネージャー

健康食品や化粧品の通信販売を手掛けるエバーライフ(本社福岡県、徳永義尚社長)のコールセンターは、パーソナルな顧客対応で顧客との信頼関係を構築できる、レベルの高いオペレーターを多数抱えている。約400人のオペレーターを抱え、自社で内製化しているという。オペレーターを対象とした、商品の研修会と、成功事例の共有会を日々開催。顧客対応のスキルを積み重ねている。

エバーライフのコールセンターでは、約500ブースを保有している。毎日平均300ブースが稼働しているという。オペレーターの7割を正社員が占めており、高い内製化率を誇っているそうだ。

同社の接客の特徴は、顧客一人一人に担当オペレーターがつく「担当制」を採用している点にある。顧客との長期的な信頼関係を重視しており、平均通話時間は10分前後。場合によっては通話時間が40分を超えることもあるという。商品の注文を受けるだけでなく、顧客の生活の近況を聞いたり、健康相談を受けたりすることも多い。こうして会話を交わすことにより、顧客との心の距離を縮めているという。


▲エバーライフのコールセンターのメンバー

同社のコールセンターを統括する井上厚子マネージャーは「お客さまの声をじっくり聞くことが、次の提案につながる」と話す。顧客の購入履歴や嗜好(しこう)、家族構成などを記録した「カルテ」を活用し、「よりパーソナルな対応」を徹底しているという。ベテランオペレーターの中には、常連客のカルテを記憶している人も少なくないそうだ。


電話以外のやりとりも


担当オペレーターは、手書きの年賀状や暑中見舞いも送る。こうした取り組みも、同社ならではの文化の現れといえそうだ。年賀状は、オペレーター一人当たり50枚ほど、暑中見舞いは30枚ほど、担当の顧客に送るという。

手書きの手紙の温かみが顧客の心をつかみ、解約防止にもつながっているそうだ。


毎月90分の商品研修


オペレーターの商品知識の深さもエバーライフの強みだ。商品開発チームが主導する形で、全オペレーターを対象に毎月、60~90分の研修会を実施している。

新商品の特長や、素材の特徴、顧客対応の成功事例などを共有することにより、知識とモチベーションの両面を強化しているという。

同社のオペレーターには、日本化粧品検定や日本健康マスター検定の資格を取得している人も多いそうだ。日常的に、パソコン上で最新の製品資料を確認しつつ顧客と会話し接客できる環境も整備しているという。

井上氏は、「トッププレーヤーと呼ばれる上位約10%のオペレーターは、顧客の声のトーンから体調や気分を読み取る力に長けている。彼らの対応録音を教材として社内研修で活用し、若手育成に生かしている」という。

同社の定期通販会員は約21万人。アウトバウンドコールのコンタクト率は6割に達している。定期利用の顧客に対して、季節の挨拶や近況確認を行い、継続利用を促しているそうだ。

一方で、AIやデジタルツールの導入も進めている。定期購入の変更手続きをLINEで完結できる仕組みを構築中だという。音声認識AIによる自動応答もテスト運用段階にあるとしている。将来的には、新規顧客対応をAIが担い、既存顧客フォローを人が行う体制を目指すとしている。


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