葉酸サプリ「mitas(ミタス)」や知力健康サプリ「Rimenba(リメンバ)」などを展開するnatural tech(ナチュラルテック、本社東京都、竹内太郎CEO)では、カスタマーサポート(CS)に関して、業務委託で対応している。創業期にCSを副業で担当してくれる人を探しており、現在もその人が業務委託の中核になり、継続して体制を築いている。だが、現在では課題もあり、今後はスタッフ間での研修や知見の共有に注力していく予定だという。
CSチームは、責任者が1人、電話対応が2人、メール対応が2人の合計5人で対応している。業務委託契約で、完全テレワーク体制で業務を推進している。
現在、問い合わせの半分はメールが占める。電話では定期便の解約手続きや、インターネットの操作が不慣れなシニア層からの注文が多いという。多様な顧客層と複数の自社ブランドの問い合わせを、CSが一手に担っている。
同社では顧客からの声を単に問い合わせ対応だけで終わらせない。月1回開催するCSチーム(業務委託のオペレーターとnatural techのCS担当者)の定例会で顧客から寄せられた声を共有する。
「『サプリの粒が大きくて飲みにくい』『匂いが少し気になる』といった具体的な声は全て吸い上げ、当社の製品開発チームにフィードバックしている」(谷口直輝CTO)と話す。
情報共有と分析においては、問い合わせ管理ツール「Zendesk」と電話システム「MiiTel」を活用している。「MiiTel」では、通話内容の自動文字起こしや、会話の感情分析(ポジティブ/ネガティブ判定)を活用している。これらのデータを基に、マーケティングチームと連携してクロスセルの提案トークを改善するなど、顧客の声を売り上げ向上にもつなげている。
今後の課題として、谷口CTOは業務委託スタッフへの研修やノウハウ共有の仕組み化を挙げる。メンバー間のスキル平準化とさらなる品質向上のため、体制の整備を進めているという。
「ネガティブな問い合わせ自体を減らしたいと考えている。本来、ウェブサイトで簡単にできるはずの解約手続きでお電話をいただいたり、製品の不具合でご連絡をいただいたりするのは、当社とってもお客さまにとっても効率的ではない。サイトのUI/UX改善や製品品質の向上で、そうした問い合わせを未然に防いでいきたい」(同)と話す。
昨今注目を集める生成AIの導入については、「品質担保や意図しない返答のリスクを考えると、顧客対応の最前線での活用はまだ慎重に考えている。社内での分析業務やマニュアル作成といった分野での活用は視野に入れている」(同)と話す。